読書感想02

企画力 / 嶋 浩一郎

車案件の営業から借りた本。非常に読みやすく、あっという間に読み終えられる。

・当たり前を疑おう
・企画がどんな見出し(ニュース)になるか想像出来るか?

といった辺りに共感。

“すべての瞬間がインプットの時間” と思って、泥棒の犯行事前チェック並みにアンテナ立てているつもりだが、「企画は今まで知っている事の組み合わせでしかない」と改めて言い切ってもらったのは、気持ちが良い。

“精通し過ぎると盲目になる” という危険性から、逆に知る・体験する事を避けていたりする側面も多い自分だが、何をしても幽体離脱してしまう自分は、もっと体験しても大丈夫だし必要な事だと感じた。

電子書籍の基本からカラクリまでわかる本
自分の案件ではないが、2年生が某出版社から「ipadでウチの書籍を出したい」というオリエンを受け、ipad関連にも精通している製作会社をアサインしたので、ついでに勉強。

・ハードだけではなくソフトもないとダメ。(国内のSONYの失敗例)
・ソーシャルストリームに乗せるには、まずターゲットユーザーにちゃんとリーチしないと埋もれる。(電子書籍時代にこそ広告は有効。)
・書店は大型店か個性のあるセレクトショップのような業態しか残らないだろう。
・編集者は今後も必要だ。
・DNPは業界から今後も更に頼られていく。
・女性誌ではエロ特集号だと売れるw
・無償バージョンアップによって継続的に読者とコミュニケーションが取れる。
・主人公の名前を購買者の名前にしたり、パーソナライゼーションが容易。
・同人誌ダウンロード販売サイトは既に盛り上がっている。
・今後ハードカバーは記念品・贈答品用。
・将来的には電子書籍が買える図書館・漫画喫茶が出来るかもしれない。

この辺が自分にとってのポイントだった。既存の出版界の状況を踏まえて、現在の変革中の様子、個人出版普及の可能性、今後やれそうな事。と、隙無く触れられていたし、分かりやすい本だった。

この本を読む以前は、出版界は “あって当たり前のものが失われるのが怖い” という守ろう・維持しようロジックで動いているようにも見えていたが、むしろ逆でコンテンツを産む為の仕組みを踏まえて、法整備含めて対応中という印象を受けた。

というのも、個人出版を排除する訳ではなく、ちゃんと綺麗に住み分け・共存しようというスタンスが感じられたし、出版社が独自の書籍リーダーを開発したりと、かなり前のめりで取り組んでいる様子が分かった。出来は分からないがWEB業界よりもスピードが速いかもしれない?

逆に出版界の中に居る人と話すと、「俺らマジ必死過ぎ。終わってる・・・」という声も聴くが、自分らが食う為に必死ではなく、コンテンツに金が回る導線の確保という意味でなら必死であって当然。これはつい見失いがちだが、食うために必死でも取り急ぎ良いんじゃないかと思う。

新聞の必死さとはまた違うし、出版業界がやってきたような提案や整理のニーズは今後高まる気がしている。

紙を売っていた訳ではなく、情報を売っていた訳なんだから、胸を張ってネットインフラを活用すれば良いと思う。

ネット業界の人間は自分含めだけども、技術を活用しようとしたり、技術を言い訳に出来てしまって、全体的に停滞気味な感じがするので、出版の頭でネット世界に刺激を起こして欲しいな♪

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