車案件の弟分営業から借りた本。自分も本屋で目にしていたタイトルだ。タイミングとしては遅いが、フェイスブックの優位性は理解しているつもりなので、グーグルが焦る理由が知りたい感じだ。
1:どこにどんな情報があるかがわかるのであれば、ウェブはどんどん使いやすくなるので、より多くの消費者がネットを利用し始めるし、ネット上に自ら情報を公開し始めることになる。ウェブを通して自分たちがいまどこにいて、何をしていて、どんなことを考えているかなどの情報までも共有し始めることになった。
2:そして2010年6月30日、このウートを米国のアマゾンが1億1000万ドル(日本円で約100億円)という高額な資金を投入して買収した。アマゾンのような当代のECサービス王者が目を付け買収するに至ったことは、ソーシャルコマースが次世代のECサービスの台風の目となることの予兆ともいえよう。
3:オープングラフにより、そこから得られる情報はECサイトの品揃えを顧客の購買履歴や類似性、好みに基づいてパーソナライズ(1人1人の属性や購買、行動履歴に基づいて最適化されたものを提供する手法)することを容易にする。
つまり各々のECサイトが、世界中に5億人超のユーザーを持つフェイスブックのオープングラフを活用することで、アマゾンだけが高度にパーソナライズされた唯一のECサイトではいられなくなってしまうのだ。
4:物事の本質を見極め、将来を予測する最良の方法の1つは、事象をシンプルに捉えることだ。よけいな細かいことはどうでもよい。
5:人間関係だけでなく、いまいる場所、気になっている製品や趣味・趣向、企業やブランドなど、すべてのモノコトに対する興味(インタレスト)でウェブ全体をつないでいく。ソーシャルグラフからオープングラフと彼らが呼ぶのはそういうことだ。
6:訪れてくれたユーザーに合わせてサービスをカスタマイズするには、当たり前の話だがユーザーの個人情報を収集しなければならない。サイトの運営者はそのための対価を払わなければならなくなるし、集めた情報を正しく保全するための責任と流出のリスクを抱えることになる。だから個人情報の収集と保全をフェイスブックが持つ膨大なソーシャルグラフに任せて、とにかく訪れてくれた客へのホスピタリティ(もてなし)に専念することができれば、サイト運営側としては願ったりかなったりだ。フェイスブックは、そのためのプラットフォームになればよい。
7:大統領選挙で成功した手法は、最高のマーケティング技術として必ず民間企業にも伝搬していく。いわばマーケティングの世界のF1(フォーミュラーワン)のようなものだから、ソーシャルメディアを使って消費者との関係構築を図る技術は数年以内にありとあらゆる企業の基本的なマーケティング戦略に組み込まれていくだろう。
8:「人々に、意識を共有してもらう習慣をつくることを念頭に置いていた。フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアはそのための道具にすぎない。ウェブを使うかどうかは本来関係なく、リアルであろうがバーチャルであろうが、時空を超えた良好な関係を僕たちとともに作っていくための仕組みを構築したつもりだ」
※オバマ陣営のソーシャルメディアマーケティングを指揮したクリス・ヒューズのコメント
簡単にまとめると、6番を要約する感じだが
- “facebookは人の今いる場所や趣味・趣向などの情報が蓄積されるので、検索という能動的な行動を待たずしてニーズにあった情報との接点を創出出来る”
という事から、googleは焦るのだ。
という感じで、自分のライフログへの危機感と同じだろう。
8番は、マーケティング・プランニングの本来あるべき考え方だと感じた。タッチポイントの以前に “良好な関係を僕たちとともに作っていくための仕組み” が根本に必要である事を忘れてはいけないだろう。
大きな発見はなかったが、自分と近しい発想が書かれており、自信になった。
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