-読書感想- モチベーションを思うまま高める法 / 小山龍介

2011-10-25 0-45-57

モチベーションを思うまま高める法 / 小山龍介

自分はモチベーションの作り方がある種間違っているw 確実に歪んでいる自覚はある。

多くの場合、仕事をする上では

“○○を達成したら社内で賞賛され、相対評価によって給料も上がるだろう”

とかそぉいう類のものであり、どちらかというと後者の俗っぽい部分が強いだろう。

自分は

“中学中退の自分が世の中的な達成なり成功的な事が出来たら、高学歴・高収入の人間がいかに燃費が悪いか証明が出来る。日本の教育は役に立たない実証に繋がる”

そんな感じなのが、今年整理してきて明確になった自分のモチベーションだと思う。

前者のタイプの要素もゼロではなかったし、今も完全なゼロではないが、本籍である子会社の偉いおっさんに

「お前はどんなスペシャルな結果を残しても給与に変化はない。よって下がる事もないのだ。よかったな!w この時代に下がる事無いなんてなかなかないぞ!」

と言われてから、後者のタイプしか選択出来なくなった。・・・しかし自分にとっては良い助言だったと感じている。

(身近な)他者との比較による安堵感は自分においてもゼロではない。それに上に書いた後者のタイプも、比較前提であるw この比較は自分にとって達成するべき途中経過の分かりやすい条件であり、大目的は “世界が憧れるTOKYO JAPANになる” なのか?なんなのか、別にある気がする。

また、近年は不況という事で、大多数の人がモチベーションを得難い時代。自分も一時は足を掬われたが、既に “諦めた上でじゃぁどうするか?” というステージに行った。(行かざるをえない)しかし、前者のタイプのモチベーションの人の場合は、まだ負の環境を仕事をしない言い訳の材料にしている人も多いと感じる。

※自分もやらない仕事はやらないが内容による。多くの人は仕事の “量” を増やす事を避ける為の言い訳が多いと思う。

そんな彼らの事は置き去りしていこうという冷酷さの反面、彼らに足引っ張られるのも面倒なので、いかにモチベーションを持ってもらうか?という意識も、自分の達成を増やすには必要な要素であると考え始めている・・・。

普段のプランニングが、”生活者がいかにブランドに対して能動的に好意的に動いてもらえるか?” を考え続けているから、その延長とも言える。

また、中途半端に歳食ってしまったのでw 若手から彼らの行動の指示を求められる事も増えている。彼らのスキルを考慮して指示を出したり、ヘルプしたりしているが、自分が上に感じるような 「この仕事やりたくないから、こっちに丸投げしてんだろ?」という感情は持ってもらいたくない。

嫌われたくないとかではく、どうせ作業するなら、その先にある楽しい未来を想定してやってもらった方が、八つ当たりとかされないで、自分が安定して仕事が出来るという、自己中な発想が強いw

いずれにしても、自分自身がより強いモチベーションを得て、生産的な方向のモチベーションを強められたらいいな・・・。と思い、この本を手に取った。

1:「不景気のときのほうが、チャンスがいっぱいある。誰もリスクを取ろうとしないから。だから、こんなに面白い時代はない よ」

2:努力そのもの、取り組んでいることそのものが楽しい、ワクワクする、どんどんやりたい・・・・・。そうした気持ちから、無心に取り組む。その結果、思いもかけない成果を手に入れる。成功は直接の目的ではなく、あくまで副産物として考えることが重要なのです。

3:わかったのは、どんな些細なことであっても、それは将来につながる大切な仕事である ということです。

4:じつは人から強制的に教わっているよりも、自発的に勉強したほうが楽しいし、成果も出る のです。

5:会社のしくみに乗せられて、モチベーションを上げさせられていた今までが間違っていたのです。「人から言われるから、やる気を出す」という状態は、本当の幸せではなかった、と。

6:勝つとか負けるといった他人との比較に依存してモチベーションを高めるのではなく、自分自身の中にある絶対的な基準に照らし合わせて、モチベーションを高めていく のです。

7:他人と比較したときの優越感で構成されたゴールは、幻想であり、永遠に満たされることのない虚しいものなのです。

8:自分がやりたいこと、やるべきだと感じていることではなく、人から成功だと思われていることに手が伸びてしまう。つまり、他人の価値観に従って生きることになってしまうのです。~中略~ つまり、成功とは、他人の失敗を前提に成り立っているのです。

9:「これからどうなるんだろう」とワクワクし、未来への可能性が感じられる一歩を踏み出していく——それが、他人に依存しないモチベーション です。

10:今、心を病んでいる人が急増していると言われています。その原因の一つは、おそらく満たされない「勝ち組」願望 です。

11:お金への願望は、モチベーションとして長期的には継続しないのです。 ちょっとしたお金を手に入れた瞬間から失われていきます。「ここでいいや」と自分で満足したところで、モチベーションが終わってしまうのです。

12:マズローは後年、このピラミッドを逆さまにするべきだったと後悔したそうです。つまり、自己実現の段階が最初に来ると言うこと。人は、安全の欲求よりも、生理的欲求よりも先に、自己実現を求めているというのです。

13:やたらプライドが高く、威圧的に振る舞う人がいますが、これは他人からの評価に振り回されている寂しい人です。尊厳を失うことがなければ、屈辱邸な扱いを受けても、もはや平気 です。

14:生きることから得られるものを期待するのではなく、僕が生きていることで、いったい社会が、そして世界が、何を期待しているのか。 困難な状況で僕が生き長らえるとしたら、それは僕に何かが求められているからにほかなりません。

15:「クリエイティブな仕事があるわけではなく、仕事をクリエイティブにする人がいるのだ」という言葉がありますが、これはおもしろさについても同様です。おもしろい仕事を探すのではなく、仕事をおもしろくする。

16:新規事業へ出資するベンチャーキャピタリストは、計画がアテにならないことをよく知っています。出資を決定する際、彼らはビジネスモデルではなく、企業家のポテンシャルに注目する と言います。そのほうが、計画を見て判断するよりも確実だと言うのです。

17:自己満足に切り替えることができれば、基準の設定次第で、「まだまだがんばろう」というやる気を引き出すことができます。他人の評価に依存しないことで、さらなる高みを目指すことができる のです。ここで言う自己満足とは、他人に縛られず、自分の基準があるからやる。そういう自律した生き方のことなのです。

18:天才的なピアニストでも、アーティストでも、プログラマーでも、活躍する人は一万時間を鍛錬に費やしている。生まれついた才能を持っている人はもちろんいるけれども、そこから一万時間の努力がなければ、「天才」にはなれない。熟練によって、天才は「生まれる」のです。

19:コントロールできないことは、前提条件として受け入れることが重要 です。~中略~ つまり、「自分には何がコントロール可能だろうか」と問う のです。

20:作家が知っていて、作家志望者が知らない事実がひとつある。こういうことだ。大変なのは、書くことそのものではない。書くために机の前に座ることが大変なのだ。(スティーヴン・プレスフィールド)

21:些細な変化に着目することで、「昨日と違う今日」に気づくことになり、それが結果として、日々のワクワク感となり、熱中に繋がっていく。熱中力というのは、こうした差異への鋭い感受性に支えられている のです。

22:100%の確立で予想できないのは、この「偶有性」があるからです。人間が成長するのも「偶有性」なのです。 「100時間分」トレーニングすれば、「100時間分」成長するわけではありません。実際は、なだらかに熟練、成長していき、あるとき突然、「ポンと突き抜ける瞬間」が訪れます。 それがブレークスルーなのです。

23:そして、この「偶有性」は、「創造性」という果実を育てる のです。「創造性」を支えるひらめきこそ、まさに「偶有性」のたまもの なのです。

24:もしワクワクするような研究開発を目指すのであれば、すでにある答えを「勉強する」会ではなく、新しい答えを「開発する」会をやるべきです。勉強会の前提には、「正しい答えがあり、それを学ぶ」というものがあります。僕たちは、「まだ世の中にない、新しい答えをつくり出す」 という次のステップに移るべきでしょう。

25:何か予想外の出来事やわからないこと、困ったことが起こったら、まず「なるほど」と言ってみる のです。起こったことを単なる偶然と思わずに、そこに意味があると思い込んでみるのです。

26:普段の生活から離れて、新しい感触に身を委ねてみる。そうして偶然の種を体に埋め込んでいく。その種がいつしか芽を吹き、大きなモチベーションへとつながっていくはずです。

27:どんなことでもまずは受け止める態度をとっていれば、他人からフィードバックをもらいやすくなります。

28:クリエーターになろうと思うなら、わからないからこそ取り組むべきです。そこに新しい発見があるからです。すでに知っていることに取り組んでも、新しいものは生まれません。わからない分野には、大きな発見が待っている のです。

29:結局のところ、「バカと言われることを顧みない度胸」 だけが、二十世紀病に冒された日本社会の膠着を突破するのである。(小説家:橋本治)

30:「カフカに宮沢賢治、ゴッホにヘンリー・ダーガー、このリストは無限に広がる。生前の彼らを認める人は皆無に等しかった。けれど、ぼくは、彼らが生きていたのが地獄ではなかったと思う。なぜなら、彼らは書くこと、描くことによって、ある種の『世界の秘密』にたどり着いたのだ」(作家:高橋源一郎)

31:「魚がたくさんの卵を産むのは、もちろん種を維持するために必要だということもありますが、その一方で、他の生命の餌になるように『贈与している』と見ることもできます。そうして生態系全体が豊かになることで、結果的にその魚にとってもすみやすい環境が整うのです」(東京大学名誉教授:清水博)

32:個人や会社の行為が贈与になり、社会という「場」を豊かにしていく。 これが贈与循環なのです。

33:もっとも効果的なのは、本人がやらなければならない状況をつくってあげることでした。その人にしかできない役割をつくり、割り当てていく。

34:「本当の顧客は誰か」ということを決めることで、その組織の定義も決まり、目的も決まります。逆に言えば、顧客を決めないことには、経営戦略は決められない のです。

35:経済を動かしているのは、じつは表面的に見えている等価交換の原理ではなく、その深層になる贈与の原理なのです。感情を排した等価交換では起こらない、豊かな情感を伴った行動の原理 がそこにあります。そこに、大きなエネルギーの流れが生まれるのです。

36:万が一、相手から返礼がなかったとしても、労働そのものが楽しみであるという、自分自身への純粋贈与にまで昇華できれば、モチベーションを失うことはなくなるのです。

37:「せっかくなら、やりたいことをやろう。やりたくないことでも、やりたい方向に変えていこう」

38:すぐに返礼があるものもあれば、ずっと後になって返ってくるものもあります。後輩の転職でがっかりするようでは、「等価交換」として教育していた証拠です。

ここで重要なのは、教える側がより学べるということです。教えるという行為そのものの中に、自分自身への純粋贈与が秘められているのです。教えることで、自分の知識がより確固たるものになり、また、新しい気づきも得られる のです。

39:江戸時代の寺子屋では、先生がすべての生徒を教えるのではなく、上級生徒が下級生を教えるしくみでした。教える、教えられるという関係を固定するのではなく、教えられる生徒が、ある場面では教える先生の役割を果たす。寺子屋の中には、こうした柔軟な関係性がつくられていました。

人は教えるときにもっともよく学ぶ

~中略~ 寺子屋の先生の仕事は、生徒に教えるということだけでなく、こうした関係性をマネジメントすることも含まれていたのです。

仕事においても同様です。

リーダーの仕事は、仕事を直接教え込むことだけではありません。メンバー同士の関係性をデザインすること です。

40:場の研究所の清水先生は、「本当の安心は自分一人だけでは実現できない。それは安定した共同体を通じて得られるものだ」と指摘しています。そうした共同体をつくるために、個人は共同体の未来へと贈与すべき だと言います。

41:人のモチベーションを上げる方法は、そのままその人も含めた共同体をどう活性化していくかということです。

42:人は他人も含めた共同体のために働くときに、驚くほどのモチベーションを発揮する のです。

43:従来の共同体が失われていく中で、未来において、どのような共同体を想定するのか。そしてその共同体に、どのような贈与をしていくのか。これは一見、遠回りのように見えて、決して尽きることがないモチベーションの王道 なのです。

これは、この一年の読書の中でベスト本と言える!!

1:冒頭から超共感www
2:この記事冒頭で書いた “比較(による安堵感)は自分にとって達成するべき途中経過の分かりやすい条件” と近しい。
3:だからこそ、このような読書感想も書くのであろう。
8:これはドキっとするが、現状のネガを洗い出し、認めた上で、払拭する事を考えるようなプランニングをする自分としては、都合が良い話だ。
12:これは自分にとって非常に都合が良い。以前えらいおっさんにマズローを題材に「お前の言ってる事はマズローと間逆だ!」と言われたのだが、マズローは真逆が良かったのだw 自分と一緒だ♪
15:最近、環境は自分が作るものだと感じている。・・・というか “自分はそれをやっていたんだな・・・” と振り返ると感じる。(タメの女子による指摘で気付いた

例えばつまらない事ばかりやっていて結果が出ないクライアントの案件を引き継いだ場合、おそらく多くの人は「うわ・・・オレに回ってきちゃったか・・・」と思うのだろう。
自分は、「ちょっとでも面白かったら即お買い上げでしょ?」と思う。(前情報にもよるが)

ただし、流通対策の施策が強い生活者不在のつまらないクライアントの場合は、今のところは、ポジに変換出来ないな・・・。

18:今は生活の大半を割いているこの仕事。よって電通に勝つ事も起きた訳だが、既に完全にプライベート領域になってしまったw 音楽活動に対して、誰に対してかわからないが、なんだか申し訳なくなってくるな・・・。
19:”諦めた上でじゃぁどうするか?” の事だな。
20:耳が痛い・・・w MAC買って環境は整えた のに、全然電源入れてない・・・。
24:これは教育において超大事な話だと思う。
25:他者と話していると、「こいつ相当アホなんじゃねぇか?」と、つい上から目線になってしま事がある。しかし同じものに対して光を当てた場合でも確度によって違う影が出来るので、最近は「どこから光を当ててみたのか?」というような、問いかけをするようにしている。
28:仕事ではなく作業に追われていたりもすると、新しい事に取り組む事に億劫になってしまいがちだが、10月までの一番身近な偉いおっさんは、タイミングを見て自分に課題を与えていたな~と思う。

最近は作業したくないのでw 仕事を入れるようにして、作業が追いつかない事をアピールするようにしているw

※ “仕事=作業を発生させる事” だと考えてます。

29:社内のとある人が「ウチにあんな馬鹿(AZZLO)が居るなんてな!」と言っていたと聞いて、とてもハッピーになった事があるし、”高度成長期時代止まりの前世紀の人間” と、おっさんらを否定してたりする自分にとっては、とても心強い言葉だ。
31:自分の評価しか気にしていない人は痛々しいと思う。彼らは怯えているように見えるな。
33:これは最近非常に実感する。ぶっちゃけCM含めた全体MTGにおいて、CM作るクリエイティブは3.4人出てくるのに、WEBは自分一人という事は非常に多いw これはWEB部署の体制的に人数が追いつかないというのが根本にあるのだが、「周りと相談しながらお前で進めていいよ」という、10月までの一番身近な偉いおっさんのハンドリングは上手いなと思う。

そして逆に自分が若い子を巻き込んで仕事する場合において、押し付けられてるのではなく、能動的に動きたい部分の許可を与えてあげなければいけないという意識も日々強まっている。瞬間瞬間が勉強だ。

34:”コミュニケーション対象者(ターゲット)=この世の全ての人” というアホな事を平気で言うクライアントが多いが、”大金かけてプロモーションしたが何も起きなかった” というのが現実。この指摘はとても気持ちが良い。
35:ソーシャルでの行動もこれと同じように言えるだろう。仮に人がアカウントとして肉体を持たない時代に入ったとしても、この根本は変わらないだろうな。
37:これに「やりたくないことは失敗しよう!(次から依頼されなくなるから)」を追記したいなw
39:マニアックラブは寺子屋だったなぁと思う。

そして、組織(複数人がつるむ環境)である以上、

>リーダーの仕事は、仕事を直接教え込むことだけではありません。メンバー同士の関係性をデザインすること です。

これこそがマネジメントだなと思う。

40、41、42:これもWEBソーシャルコミュニケーションのモチベーションだな。
43:スペシャリストの集い のFBのスレッドでは、日々ディスカッションが行われ、各々協力しビジネスが生まれている。”BBS・掲示板” があれば同じ事は出来るので、ソーシャルは関係ないが、ネットインフラによって現代の組織の動きを感じることが出来ている。

そもそも出会い系サービスもそうだけど、ネット署名運動しかり、ustream、ニコ動しかり、王道だなぁと感じる。

・・・非常に多くの付箋を付けたが、読み終えてみると、”自分が間違ったモチベーションの作り方してるんじゃなくて、周りが間違ってるんじゃないか??” という印象だ。
自分とタメの女子に、「AZZLOクンは何をモチベーションにしてるの?」という質問がある通り、モチベーション高くやっているように見えるようだし、この本の言っている事はある程度やれてるし、まぁいい感じなんだろうと思う。

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