-読書感想- 1分間スティーブ・ジョブズ / 桑原晃弥

2011-10-25 0-47-49

1分間スティーブ・ジョブズ / 桑原晃弥

ジョブズ死去前の読書。

去年、10年ぶりにMACを買った が、過去のMAC暦は

・Powermac 8600
・Performa 5420
・Powermac G4 400

という事で、4台目になる。WINDOWSはまだ2台しか自宅では使ってない。

それほど、APPLE信仰は強くない・・・というか、ほとんど無いつもりなのだが、最近のAPPLE製品は揚げ足取り難いなとは感じている。携帯はまだスマホじゃないのだが、iphone4Sにするつもりでもある。

死去以降の現在は更に加速しているが、当時からジョブズ本は本屋に溢れていて、既に スティーブ・ジョブズ脅威のプレゼン を読んでいたのもあり、あまり分厚い本は読みたくなかったので、すぐ読み終えれそうな、この本を手に取った。


1:「ピンチの時には、新しい人材を探す暇はない。身近にいる人員を総動員して、彼らを信じるんだ」

2:「ジョブズは、自分の最後の1日で人類に何を残せるのか、このことのみを考えて常に仕事をしている。ジョブズの後継者が同じものを生み出したとしても、それは似て非なるものだ」

3:その過程で人と人の間に「科学反応」が起きた時、コンセンサスは更に研ぎ澄まされる。それが創造的なスタッフをマネジメントする真骨頂かもしれない。

4:企業は大きくなるにつれ、革新より保守、成長より安定、夢よりカネを重視するようになりがちだ。大企業としての風格?そんなものは糞食らえだとジョブズはいい続けているように思える。

5:1970年代の米国デトロイトで自動車産業が衰えたのは、経営者たちが車を愛していなかったからだ。コンピューター業界も同様だとジョブズはいう。

6:iPodの開発者ジェフ・ロビンズもいう。「メンバーはみんな、この製品の開発に関われることに興奮していた。ある意味、これはみんな自身の夢を実現するプロジェクトだったんだ」

7:「芸術家として生きていこうとするならば、過去ばかり振り向いていたのでは駄目だ。自分がこれまで何をして、これまで誰だったのかということをきちんと受け止めた上で、それを投げ捨てればいい」

8:「今我々は、大学の顧客が何が欲しいといったのか、誰もはっきり思い出せないところにいる。また、ネクストが生産するマシンも最終的にどのようなものになるか、まだわからない。入口にも出口にも光が見えない。混乱して方向を変えれば、多くの壁に衝突することになる」

9:サンフランシスコ・エグザミナー紙のコラムニスト、ジョン・ドボジャックは、ジョブズの強みとは技術的知識が欠けていることだと指摘した上でこう付け加える。

「専門家ではないから、不可能ということを知らない」

非専門家ならではの遠望力というものがある。専門家ではないことを弱みとせず、強みとして活かすことが大切である。

10:「アップルに必要な治療はコスト削減ではない。アップルに必要な治療は、今の苦境から抜け出せるような革新を行うことだ」

11:ある記者がジョブズに「大衆がパソコンに何を求めているか、きちんと市場調査したのか」と質問したところ、ジョブズは間髪入れずにこう切り替えした。
「グレアム・ベルは、電話を発明する前に市場調査などしたか?」

12:ジョブズはコンピュータで世界を変えることを目ざし、実際に変えてきた。その一方で、人生を深く考えるようになったのである。おそらくジョブズは、今では「世界を変える」ことはできないまでも「世界を少しまともなものにする」ために挑戦を続けているのではないだろうか。

13:「ちょっとでも手抜かりがあると、鋭い嗅覚でそれを見抜いては『お前たちがやりたいのは本当にこんなことか』と聞いてくる。そして、妥協して後悔しないよう、本当に満足するまで徹底的につくり込むように皆を論して帰るのだ」

そうラセターはいっている。

14:アトキンソンはジョブズにPascalを使えるとアップルのためになるし、短期間でやってみせると願い出た。ジョブズは冷ややかだったが、チャンスを与えることは忘れなかった。

「アップルのユーザーはBASICとアセンブラでしかプログラムをつくらないよ。でも、3ヶ月やろう。その間に、僕が間違っていたということを証明してみたまえ」

アトキンソンは、何かをやるとなると昼も夜も週末も無視して突き進むタイプだった。3ヶ月より短い期間でPascalを使えるようにしてみせたのだ。

15:ジョブズは「できるかできないか」ではなく、最初から「できる」と信じて突き進む人間が好きなのだ。そんな人間を挑発し、能力を120パーセント引き出すのがジョブズの得意技である。

16:「なあ、もう学校にコンピュータを置いてもいい頃だよ。今やるべきなんだ。子どもたちは待てないからね」~中略~すばらしいアイデアだった。ただ、欠点があった。税の優遇処置を受けられるのは原材料の分だけだったのだ。~中略~「ならば法律を変えてやろうじゃないか」~中略~自分の夢を現実に邪魔させないというジョブズの強さである。

17:会社の業績を決定的に左右するのは、社員の能力ではない。トップの能力ひとつなのだ。ジョブズは「変革はトップから始めなければならないと思う」といっている。

18:ジョブズのアップル再生は、経営そのものよりも、まず未来を描くことから始まったといっていいだろう。先見性は時に奇異に見られることもあるが、ジョブズはブレずに進んできた。


2:多くの人は、経済を動かすコマでしかない事に対して嘆く(ある1つの視点だが)だけで、何も考えも行動も変わらない人が多いが、何故ジョブズは、ある種図々しい発想を持ったんだろうか?と思う。
6:プロジェクトはこうであるべきだと思う。アウトプットされたものを見せられた時に、「これ作ったヤツ興奮したんだろうな」と思えるものであるべきだと思う。
7:芸術家とか、アーティスト・クリエーターの違いとか、全く分からんのだが、”自分がこれまで何をして、これまで誰だったのかということをきちんと受け止めた上で・・・” は、この日記を書くという行為で自分はやっていると思う。そして “それを投げ捨てればいい” は、AZZLOとかDJとか自分のアイデンティティとなる表面的な部分を、たまたま失った(DJは意図的に手を引いた)事で、芯が見えてきた感じはするな。
9:これは自分も意図的にやっている得意分野だと思っている。携帯電話を持っていないのに、半年で業界3位のアクセス数を誇るモバイルエロサイト運営グループを作ったし、テレビ持ってなくて総合広告代理店に身を置いて、“ニコ動ニュースのランキング2位を2日獲得” “GOOGLEの急上昇ワード4位獲得” なんて事を起こすきっかけを作ったり出来ている。

あらゆる人から「総合広告代理店に居るんだから、テレビぐらい持てよ」と言われるし、先日はえらいおっさんに「来年はオリンピックがどこでやるか知ってるのか?知ってればそれに紐付いたプランニングが出来るじゃんか」と言われた。しかしオリンピック程でかい事と紐付いた仕事なんて、ウチには無いしw (作ればいいんだけども)誰でも知ってる事を自分が知っている必要は特に無いと改めて思った。ベタに “オリンピック応援キャンペーン” なんて誰でも思いつくだろうw

“知識がない未関与層の自分がいかに萌えるか?” を指標に持てるのは強いと思っている。

13:これは最近自分はやれてない。徹夜続きのプロダクションを追い込む事はやり辛いし、自分自身のアウトプットにおいても、甘えはある・・・。自分が痛むだけならどこまででもやれるが、同じ目標を共有しているとは限らない人を巻き込む理由付けをしっかり作らないと、ここは追い込めないんだろう・・・。
17:「売り上げヤバイ!何とかしよう!頑張れ!」しか言えないトップとは間逆。ある種 “連れション感覚で、巻き込まれたい理由” (もよおしてなくても「あ、あたしも」と言ってしまうモチベーション)によって、同じビジョンを共有させてくれる、リーダーが欲しいわ・・・。当然魅力的なビジョンでなければ、巻き込まれる事はない。
18:17番にも被る。当時のimacは本当に衝撃だった。「そぉいえばこんなパソコンあったって良かったよね!」と思わされた。ipodにしても「物理的には可能だったが、何故今まで無かったんだろう?」と思った。

自分もライフログ妄想で、”死んでも全く問題ない時代” を考えているが、そこに辿り着く段取りは下手だと思っているw “50年後は確かにそうかもしれないが、じゃぁ来年はどうしているべきなのか?” という、突っ込みが自分に出来てしまう。この辺の精度は意識するべきだな。ま、整理を続けて隙を探ろうと思う。

・・・簡潔にジョブズの要点を掴めて、悪くない読書であった。

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