データサイエンティスト データ分析で会社を動かす知的仕事人 / 橋本 大也
2013/8/19発売。2013年11月頃の読書。
AZZLOは2009年からビッグデータの可能性にアラートを出している が、組織は取り組みまないと複数人が言っている。 “徹底して媒体問屋を貫く” というのは、短期的なパーヘッドの利益を優先する上では賛成だったりはするのだが・・・。
しかし、組織と一緒に2020年ホームレスになる 以外の手段も持っておきたいのでw 現状のデータ活用の理解の為にこの本を手にとった。
1:日本の企業において、なぜ博士人材が活躍することが少ないのだろうか。企業側にも問題がある。マネジメントに関わるビジネスパーソンたちが、サイエンティストの力を理解して使うリテラシーに欠けているからだ。
⇒サイエンティストとかの力を仮に理解したら、”いかに自分が必要ないか” が明確になるからなぁ。多くのビジネスマンは保身へのアンテナはえらい感度良いもんだw
そして
この動画の後半にあるように、博士号の価値が明確に低くなっているらしいな。
2:本来彼らこそ、データから情勢を見極め戦略を立てる現代の軍師として活躍できる人材なのだ。データサイエンティストは単なるツールではなく、課題解決者である。正しく機能するには、企業もその担い手となる人材の側も、意識を変えて、きちんとその役割を見直す必要がある。
⇒あちこちで “データサイエンティスト育成” ってのが言われてるよな。
データサイエンティストって知的労働ではあるが、いずれCPUによる自動解析になるので、スキルを身に付けても長く活きる職ではなさそうだと思う。
- “自動解析ツールを開発する人の育成”
はありえるな。
- 「データサイエンティスト育成プログラム出来た~~!!!・・・もう自動化が進んでて育成する必要なかった・・・」
という未来は容易に想像付くw
いずれにしても大学は現実から3周遅れという感じはする。
3:広告とはもともと 「広く告げる」 という意味だとよくいわれるが、ただ広くばらまくよりも、関心を持ってくれそうな人を徹底的に見極めて、狙い撃ちで広告を出せた方が、はるかに効率がいい。そして、それを可能にしているのがデータ分析だ。
⇒現在も “ターゲット分析” とかをアンケートやら手間暇かけてグラフにしたりとか、根拠としては薄い事象を糞面倒くさい手間かけてやっているのがいわゆる “マーケティング” という労働履歴だ。
今後はワンクリックで誰でも簡単に精度の高いマーケティングが可能になるんだよな。誰でもブログを持てるようになったのと同様に・・・。
企業活動のマーケティングだけではなく、個人の生活で、「あの娘はガチムチが好き」 とか、そぉいうのも全てデータになり、部分的には閲覧可能になるだろう。
“平均フィニッシュピストン回数” なんかも、スマホが音と振動を感知して全てデータになるw
4:「今までの広告は 『クリックしてくれそうな人に出す』 という考え方だったが、最近の試みとしては、クリックしたあとのパフォーマンスを予測して広告を出す」
⇒ “既にクリックした後の 素晴らしい体験の記憶を得てもらって リマインドする” 的なのも起こるハズ。
5:分析を提案につなぐという能力こそ、現代のデータ分析の専門職の新しさなのだと私は考えている。そういった意味では、データサイエンティストという言葉の代わりに、データアーティストという言葉を使ってもいいかもしれないとさえ思う。
⇒
- “ビッグデータ解析で現状の理解は出来れど、その後どうするかの案がない”
というのは、今後しばらくのテーマだろう。その間は、”データをちゃんと読み取れた上で施策へ繋げる人” というのが重宝がられるな。
今後10年で、
- 「このデータからすると、CM50%、ソーシャルプロモーション30%、夏休みのイベントを20%が最適予算配分です」
ぐらいの事はツールの管理画面が教えてくれるだろう。その上で演出をどうするか?は人が介入するものだろうな。
6:ビジネスの問題解決をするための提案の作成は、分析的な知性だけではなく、デザインや表現、そしてコミュニケーションの創造的な知性を総合してつくりあげるアートである。優れたプロの企画提案が人を魅了するのはロジカルなだけではない何かがそこにあるからだ。
⇒匂いや音も資料から出るようにしたいな。プレゼンって “書類のご説明” になりがちで “施策のご提案” になりにくいんだよな。
7:むしろ、既存の職種にデータサイエンティストをインストールすることが重要なのだ。
⇒AZZLOもそう思う。特にマーケとかSTP的な人はマストなスキルだと思う。しかし組織においてはやらないみたいなんだよなぁ。
8:業務改善のためのでデータ分析では、分析を行う前に、営業マンや販売員にインタビューを行うのが正しい方法だ。彼らに営業や販売のコツはあるか、経験則やジンクスはあるかを教えてもらうのだ。バスケットボール研究のホットハンドにあたる仮説を得ることができる。仮説は検証によって肯定されることも否定されることもある。データサイエンティストの検証の積み重ねによって、ビジネスの世界のマネーボールが解明されていくのである。
⇒データによって非言語領域が言語・傾向として明確化されるが故、今あらゆる所でビッグデータが話題になってんだよなぁ。
そして、AZZLOが可能性を感じているのは、過去の言語化ではなく、未来の想定も出来る部分だ。超高精度でリアルタイムに進化する四柱推命みたいなもんだからw
9:21世紀の今、ビジネスデータの8割は非構造化データであるといわれている。電子メール、ウェブページ、ブログ、ソーシャルメディアのつぶやき、デジカメの写真やショッピングサイトの購買履歴、クラウドサービスの利用者記録などネット系のビッグデータ。そしてGPS搭載の自動車やスマートフォンから集まる位置情報、24時間動き続ける監視カメラの動画、Suicaをはじめ交通カードの利用履歴などセンサー系のビッグデータ。新たにデジタル化されている領域の多くが、構造を持たないデータだからだ。
⇒いずれほとんどの事象は構造化されるハズ。
- “女性の悪口を言う女性はま○こが臭い可能性が5割。そのうち大卒者は150%可能性が高い。1ヶ月以上セックスをしてない場合、非大卒者も含めて70%可能性が下がる。大卒者のうち、月に3回以上ファミリーマートに行く人は105%可能性が高まる。マンションの2回以上の人は40%可能性が下がる。メールに絵文字を入れる人は・・・ブログの文体が・・・写真と撮り方が・・・。・・・よってこの人の、ま○こが臭い可能性は55%である ※毎年5月は他月に比べて140%臭い可能性が高い”
みたいな事は全ての事象で言えるようになる。
10:何でもデータ分析で答えを出そうとするというのは、そもそも間違っていると思うのです。 何が当たるか予測するというのは総合的なインテリジェンスの話ですから。データ分析はそれをサポートするものとして使えばいいだけです。(ヤフー安宅和人)
⇒しばらくの間はそうだろうな。
11:あるサービスについてイノベーターだった人が別のサービスでもイノベーターであるとは限りません。LINEをはじめに使った人が次のトレンドにおいてもイノベーターであるという保証はないのです。だから、普遍的なイノベーターとなる層を抽出して分析しようとすることは、本質的に危険だと思っています。
⇒アニメ好きでも萌系好きもいれば、SF好きも居るしな。そしてテクノ好きいうても、TIESTO好きがAutechre好きな可能性は調べるまでもなく、非常に可能性が低いw
ターゲティングとかペルソナとか、安易過ぎると思うんだよな。ビジネスとして真摯さが無いw
12:そもそも 何のためにデータを使うのかというイシューを見極めないデータ活用というものはあり得ません。 課題解決意識がないままに、ただデータを分析してもコストになるだけです。「データの鉱山から宝物を探し出す」 などといっても、探すべきものがわかってないければ仕方ないですよね。
だなw
13:分析の仕事の中にも、価値あるアウトプットを生み出す 「知的生産」 の部分と 「レイバー(単純労働)」 の部分があります。データサイエンティストの肩書きがついていても、実質的にはレイバー領域の仕事しかしていない人が、それなりの数でいるのではないかと思います。
⇒現状はそうだろう。そしてレイバー部分をしっかりやって、ワンクリックで吐き出せるようになるまで、ツールをブラッシュアップした方が今は良いと思う。
14:データ分析結果がきれいに出ないことは珍しくない。逆に相関がはっきり出るケースでは発見の驚きが少ないことが多い。なぜなら、扱う主要素に強い相関があるあんらば、現場の人間はそのことにとっくに気がついているはずだからだ。夏場の気温上昇とかき氷の売れ行きに相関関係を 「発見」 できたとして、そんな分析をありがたがる人はいないだろう。データ分析によって、当たり前ではないこと、未知の情報を見出せることは実際にはそれほど多くない。教科書に書いてあるようには実際の分析は進まない。
⇒故にワンクリックであらゆる相関を跨いだ相関を検証するツールが必要。人的にやってたらキリがない。
15:総括すると、データサイエンティストにはコンサルタント的なマインドが必要である。これは、課題解決意識と言い換えてもいい。また、手持ちの道具と目の前のデータだけで勝負をするハッカーのマインドもあった方がよい。(中略)
「統計とITの能力」 「ビジネスの問題を発見し解決する能力」 「創造的な提案を行う能力」 の3つの能力を頂点とする三角形の面積の最大化である。ハッカー指向とコンサル指向をちょっとずつ持ち合わせたビシネスパーソンというイメージなら、身近に想像しやすくなるのではないか。
⇒”気付く力” の問題だし、それを正当化出来る立場もろもろ必要。なんだか “全員経営者になれ” 的な話だな。
16:車や不動産などの商材では、長期間の検討やブランディングが必要なため、広告接触回数を増やすことで効果が出るのかもしれないが、私の教えている学校の広告が、この仕組みで私の訪問するニュースサイトや検索サイトにずっと出てくるのには閉口している。確かに私は学校のサイトをよく訪れるが、関係者に対してその広告を出しても無意味なのに。
⇒ “もう購入したのに、まだわざわざバナーが出てくる” 的な事も無意味だよなw 先日発表された au wallet は、そういった事を最適化する為のサービスも狙っているだろう。
17:データを視覚的に表現したり魅力的な物語として伝える 「ストーリーテリング」 の力も、データサイエンティストの重要能力であることは間違いない。実際、本書の取材の中でも、プレゼンテーションツールとしてのデータ分析の意義を語る声があった。彼らのインタビューを読んでいただければ、データサイエンティストたちが創造的で表現能力の高い 「知的仕事人」 であることは一目瞭然だと思う。
⇒データをグラフとかだけで見せられても眠くなるだけだからなw プレゼンする本人も眠くなるw プレゼンする本人が仕事を楽しめる人であれば、ただのデータだけではないプレゼンに必然的になると思う。
これは、どんな仕事する上でも言えるな。
これといって新しい気付きは得られなかったし、AZZLOはもっと未来を妄想している事が分かったw
2012年2月にadobeの人と話した時に、「みんな子供とか居るんだから、そんな未来考えなくていいよ!来月の事で頭いっぱいでしょ!」 と叱咤された感あったんだがw 確実にAZZLOの妄想は現実になりつつある印象は強まるな。
そら、現時点でAZZLOの妄想を明確に目標としている人は少ないかもしれないが、普通のマーケティングの新たな手段 (新しくないが) 的な進化の上では、あるタイミングでAZZLOと同様の事を言い出す人は出てくる。
というか、AZZLOの妄想はあらゆる人の妄想の集合体な訳なんで、AZZLOだけぶっとんだ妄想をしている訳では決してないw (紐付け方に癖があるかもしれないがw)
知的労働における レイバー (単純労働) 領域を効率化出来るのは当然で、あらゆる可能性が高まる考え方・手法だと思う。
組織はこの領域には手出さない 訳なので、ホントもったないないなと思うw
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