独裁力 ビジネスパーソンのための権力学入門 / 木谷哲夫 (Amazon)
2014/4/17発売。2015年12月の読書。
ちなみに背景画像(PC閲覧時のみ表示)は、東京都庁展望台で撮影してきた。
目次
- はじめに
- 引用・感想
- 説得だけでは絶対に動かない人々…
- 権力は非常に魅力あるものなので…
- 権力エンジニア というべき人も…
- 一般的に言って、戦略というもの…
- 実行には多くの人の支持が必要で…
- 日本企業の衰退パターンの典型的…
- 「当グループの総力を結集する」…
- トップの仕事とは、現場から情報…
- 権限委譲とは、自分に決める権限…
- MITのマグレガー教授はその著書…
- 構想力 (戦略立案力、コンセプ…
- 権力の大事さが無視されてきたの…
- 社内ポリティックスの中での通し…
- 権力欲だけで能力のない人が権力…
- どうやってコア・メンバーを選ぶ…
- コア支持層に身分保障を与えてし…
- ひと握りの人たちだけで権力を支…
- ブラック企業と呼ばれている会社…
- ゾンビ企業 トップの権力基盤は…
- 現代の戦闘に不可欠な動員力には…
- ボスの失脚は、自分の最も身近な…
- 「役員たちには、「役員室や秘…
- 人数が増えると、自分のビジョン…
- 一人で権力を握り続けていると、…
- 接待は、権力基盤を構築するのに…
- いわゆる良い人が担がれるのは、…
- 経団連がすでにサラリーマン社長…
- オーナー企業、ベンチャー企業の…
- 後記
はじめに
まず、AZZLOは権力に対して
“愚かさ” に伴うイメージを持っている。連動するケースが多いヒエラルキーについては
という認識である。
3月まで在籍した組織では 「偉くなりたい」 と、明確に発言する人も居て、別に悪い事ではないと思うが、同時に
「はぁ~。年収一千万切っちゃったよ・・・。部下が無能だからだ!」
というボヤキも同時にある事実には
このような “ノブレスオブリージュの欠如”(徳が無い) という見解に辿り着いている。
そして、”偉い” を達成している人は、コンプレックスからの向上心で達成し、周辺を攻撃する事に陥ったり、悪い意味の独裁を含む事があるが、ちゃんと精神的にも偉い人 (ノブレスオブリージュを体現している人)が、独裁?というか立場的にも偉くなる分には、むしろ良いケースもあるように感じている。
そんな “偉さ” の解明に夢中だった最中にド直球なタイトルの本だったので手にとった。
結果、
AZZLOの思考には浮かびにくい “権力” のモノサシからも、先日までの組織や日本のダメさ具合の根源が書いてある感じがしたな。(ゴミ売広告社を退職しました (°∀°)ゝ”)
に書いた通り、退職検討を更に深める読書となった。
引用・感想
1:説得だけでは絶対に動かない人々がいるのもまた確かです。
さらに、一人一人に時間をかけて説得するのは、ニ、三人なら可能ですが、何千人もの大きな組織ではコストがかかりすぎて現実的ではありません。
自分の意思を組織で貫徹するには、権力に頼る部分がどうしても必要になります。
権力で云々 (恐怖統治) 依然に
「あの偉い人が言ってるなら大丈夫だろう」
という信頼があれば良いんだと思うし
会社ないしの組織とは、志のフィルターとも言える訳で 説得が必要な事態とは、間違えた人を採用しちゃった可能性がある よなw
注意点は “その志とは、より多くの手取り貨幣” じゃないヤツが必要だと思うw
“追従したら気持ちが良くなれるリーダー(指針)” が欲しいわ。AZZLO的に言うと、”discipline” だなw (みんな病んできてる感じすんな~)
多くの下々の気持ちはこぉいう事だと思う。
とは言え
も必要だけど。
2:権力は非常に魅力あるものなので、権力欲にとりつかれ、それを追い求める人たちがいることは確かです。したがって、自分が望む何かを、組織を通じてやり遂げたい人にとっては、そういう権力亡者に勝たないと、組織で自分の意思を貫徹できない ことになります。
⇒ 確かにAZZLOは “一つの会社内で権力もクソもない”(共に強くならなければならない)
という感覚なのでw 3月まで在籍した組織では、様々な自主的な気付き・動きを否定されてきたよなw
3:権力エンジニア というべき人もこれからは必要になるでしょう。
どうやったら組織にとってベストな人が権力につくことをサポートできるのか? どうやったら良い会社にできるのか?
組織の生き残りのためには、
◯ あるべき姿についてのビジョンだけでなく、それを実現するための独裁力が重要なことを理解する
◯ 権力欲で動くのではなく、乾いた視点で、道具として権力を活用する
◯ 「正しい独裁者」 を見出し、その人の能力を最大限生かす仕組みをつくる
◯ 権力者を有効にサポートするフォロワーシップを育成する
といったことが、極めて重要になるはずです。
⇒ コレが、本書の重要ポイントで “権力 = 何者でもないセコい人の信仰対象” とは限らない という事を知ったな♪
“権力 = 面倒臭い人も含む社会におけるちょっとしたアビリティ”
AZZLO的にはこんな定義を思いつくなw
そして、3月まで在籍した組織に対して
「権力エンジニアリングが全く成り立ってない」
と思ったが、すぐに
「権力エンジニアリング上手くいっていて “独裁力” はあるが、今後を生きる上での正しい独裁者 ではない」
と思ったなw 前者の方がまだマシかもなw
4:一般的に言って、戦略というものは大胆で面白いものほど、不確かな部分が増えて、人によって評価が異なってくるものです。
逆に言うと、一部の人が 「これはすごい、これだ!」 という反応がある一方、多くの人が 「そんなの、できるわけないよ」 と白けている状態、これが最高の状態 です。
とは言え、必然性の無い技術・流行オリエンテッド過ぎる思考には疑問を感じる けどな。
例えば、企業販促の上での手段であるAR、FACEBOOKページ、インスタグラム、とかのトレンドはせいぜい半年で、目的を達成しないまま、すぐコモディティー化してるし。
5:実行には多くの人の支持が必要ですが、少なくても発案の段階では、賛否両論が巻き起こるような斬新でラディカルなものがベストです。
ラディカルな面白い戦略を意思決定するには、全員一致ではできません。
少人数で本当の意思決定ができることが大事になってきます。
もし、論理的に客観的に誰が見ても正しい戦略、細部まで詰めることのできる戦略があるとしたら、誰か他の競合他社がやっているはずです。そのような陳腐な戦略では、勝つことができません。
オリーブオイルで揚げて塩の代わりにバジルをかけた "からあげ弁当" が企画だし提案だと思う。
『わざわざ頭を抱えて結局 "普通のからあげ弁当" 』
の為に自尊心担保のMTGは要らない。捌くなら効率を伴うハズ。
— azzlo (@azzlo) 2016, 2月 16
コレに通じる指摘だと思う。
6:日本企業の衰退パターンの典型的なものは、会社ムラの合意を優先し、陳腐な戦略を取り続け、業界横並びでジリ貧になる、というものです。
人のいうことをまじめに聞く優秀な社員は多いのですが、本当に意思決定ができる少数の権力者グループがいないので、外から見ると戦略不在の組織になる のです。
この指摘と近いな。
7:「当グループの総力を結集する」 というお題目には、特に注意が必要です。外部の企業と協業したほうがはるかに早くマーケットに浸透できるかもしれないのに、自社内で調整している間に身軽な競争相手に抜かれてしまいます。 ~中略~
グループの総力を結集し連携して、というのは、各部門の代表者が出席する社内の会議などでは受けがいいでしょうが、戦略的な自由度は大きく損なわれます。
強みを生かす、というのが自己目的化し、不要な組織の温存を図ってはいないでしょうか。~中略~
強みを生かすなどのキーワードで現状維持が正当化されている会社は、トップが組織に負けているのかもしれません。 ~中略~
強みを生かす、とお題目は一見すばらしいのですが、実は組織が自己保全を図っているだけかもしれません。これにより、戦略の自由度が非常に狭まり、リーダーが正しい意思決定ができなくなるのです。
注意点は “既存資産(実際は負債)を強みとすり替えてしまう” 事だろうな。表裏一体だけに意図的ではなくても間違いやすい。
8:トップの仕事とは、現場から情報を収集し、それで全社の戦略を決め、現場に徹底させて実行することです。しかし、多くのリーダーは、あまり現場に口を出すと嫌われるので遠慮し、権限委譲イコール 「現場に丸投げ」 と勘違いしています。
その結果、現場にいる人は、自分がボスだと勘違い して暴走し、トップがトップの仕事をせず宙に浮いた存在になってしまい・・・ということが実際に起こっています。
こぉいう高度成長期の残り香がある中で “ポスト” に関して、特に言いなり奴隷さんは不満を感じるが故に、権限委譲による自尊心の担保が欲しかったりするし、表裏一体な要素だと思う。
お互いに甘えが重なり “お家騒動” みたいな事になりやすいので、ポジティブで能動的な規律が必要だと思う。
良い結果だったのは
五郎丸で話題になったラグビーだと思うな。
9:権限委譲とは、自分に決める権限がある人が、誰かほかの人に全権を委任することをいいます。
しかし、そもそも社長に権限がなければ、それを委譲することはできません。
権限がないのか前向きな未来を想定した意思決定をする思考力がないのか?
多くの事象はそれ以前に 「オレが決定した事がダメだったら株主(ないしの “もっと偉いおっさん”) に怒られるのが嫌だ」 で何も起きない のだと思うw
その点、ソフトバンクの孫さんは、怒られまくってきた結果、グループとしてはdocomoを抜いた(純利益)訳だが、世の利己的ビビリ経営者は何を思うのだろうか。
10:MITのマグレガー教授はその著書 『企業の人間的側面』(産能大学出版部)で次のように述べました。
人間には二種類あり、
① 「人間は本来怠けたがる生き物で責任をとりたがらず、放っておくと仕事をしなくなる」
→ この人たちには 命令や強制でしっかり管理 しないといけない (X理論)
② 「人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする」
→ この人たちには 自主性を尊重する経営手法 が有効である (Y理論)
この理論はマズローの欲求段階説に関連づけて説明され、X理論は低次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに適用され、Y理論は高次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに適しているとされます。そして、低次元の欲求が十分満たされているような現代社会では、Y理論に基づいた管理方法の必要性が高い、 という理論です。
理論として発表したのはアメリカ人ですが、実はもともとは、日本発の考え方 です。
一九六〇~八〇年代の日本企業の躍進では、工場で労働者の自主性を尊重し、モラールを上げ、QC活動を通して品質向上したことが大きな成功要因となりました。それに目をつけたアメリカ人が、日本的経営を見習おうと、日本企業を徹底的に研究し、従業員の企業への忠誠心や品質向上意識を引き上げる方法を定式化したのです。
その後、日系三世のオオウチ教授が、『セオリーZ』(CBS・ソニー出版) という本で、優秀な米企業、HP(ヒューレット・パッカード) IBM、P&G等は、多くの優秀な日本企業同様、X理論とY理論の両方の良さを取り入れた 「Z理論」 で、現場とマネジメントの信頼関係をベースに経営されている と論じました。
つまり、もともと日本の製造現場から抽出された理論が向こうで純化され、かつP&Gなどの優良企業もそうしている、という形で、一気に汎用的なものになったのです。
ところが、それが日本企業に逆輸入されたとき、大きなる勘違いが生じました。
X理論とY理論の組み合わせがオオウチ教授のポイントだったはずなのに、
日本企業に逆輸入されたときにはYのみが注目され、
X理論的な側面は時代遅れとしてどんどん無視されていったのです。すなわち、日本では、勘違いセオリーZによって、
独断専行でスピーディーに意思決定する経営者は時代遅れで、
できるだけ権限委譲とするのが先端的、とされるようになってしまったのです。日本企業がサチった重い組織になっていくタイミングで、それを正当化しボトムアップを礼賛するセオリーZが格好のイデオロギーとして機能した、と言い換えたほうがいいかもしれませんが。
今の時代、ワークライフバランス、ダイバーシティを進化させないと、優秀な人を引きつけ、競争を勝ち抜くことができないのは確かです。しかし、それと同時に、組織の生き残りには、強力な意思決定力、権力の集中も必要です。
変化の大きい時代をサバイブするには、X理論も依然重要なのです。
⇒ 翻訳に問題があったのではないかな? 意図的な翻訳なのかもしれないしw
あと、堤清二(セゾン)の言葉で
「日本の偉い人はアダム・スミスを都合よく解釈しているのではないか?」(-読書感想- アダム・スミス 『道徳感情論』と『国富論』の世界 / 堂目 卓生 )
こんなのがあるが、そぉいう都合の良さもあるだろうな。
11:構想力 (戦略立案力、コンセプト立案力) はその一部にすぎません。分析だけできても、論理力がいくらあっても、自分の思う通りにそれを実現する独裁力に欠けていれば、結局組織を動かすことはできない のです。
⇒ まぁ、会社という一つの屋号単位で “組織” という感覚が既に古い感じはする。
とは言え、“財布を共有する物理的に近くの人たち” ではある中でのコミュニケーションが課題なんだろうな。
12:権力の大事さが無視されてきたのは、どの業界も長年右肩上がりの幸福な時代が続いたからでしょう。
右肩上がりの高度成長期には、
特に強い権力で意思決定することがなくとも、
オペレーションを回しているだけで成長できました。
⇒ AZZLOが知る限り、”1ドル / 360円 という超円安設定” と “意図的に発生させた80年代バブル” という “そぉいうシナリオ” な訳なんで当然な事だと思う。
復興への道のりは、アメリカというゴールが誰の目にもはっきりと見えている、いわば 「ルートの見えている登山」 でした。(-読書感想- 人生を面白くする 本物の教養 / 出口 治明)
だし。
13:社内ポリティックスの中での通し方を含め、自分の正しいと思う戦略が実現できるよう、上司をきめ細かくサポートできる部下が理想です。
逆に、机上の空論だけを説く部下、却下されると簡単に諦める部下、却下されると上司をバカにしたり恨みに思ったりする部下もいます。
こういう人は、正しいことを言っても、上がわからない、という次元で満足してしまっているのです。何回か同じことが続くと、デモチ (モチベーションが下がること) して働かなくなるでしょう。
“正しいこと” が 「だって今までウチ(業界)はそうなんだし」 という無思考じゃない理由が欲しいよな。
“組織・業界ローカル事情” だけでなく、社会における立ち位置を踏まえた上で
「何故、”今まで”を継続” した方が良いのか?」(「”オレの責任” となるのが嫌だから」 ではない思考で)
も同時に必要だと思う。
コレじゃダメだし
こぉいう指摘もある。
14:権力欲だけで能力のない人が権力を握り、まともな人が白けているのは、好ましい状態ではありません。まともな人が権力にアレルギーを持ってしまい、権力から距離を置いて超然としてしまうとどんな組織もうまくいきません。企業であれば倒産してしまいます。
“素敵な人がたまたま偉かった” という事を目にした事があれば、また違う事象が起きる んだとは思うな。
利己的なてめぇの給料アップ目論見や、”何者でもないが故の肩書信仰” にともなう “ごますり” 等が通用するから、権力アレルギーが生まれたりするのだと思う。
15:どうやってコア・メンバーを選ぶのか?
ひょっとしたら、自分の抱くビジョンに共感し、無私の心で支持してくれる奇特な人もいるかもしれません。しかし権力者にとっての問題は、権力に近寄ってくる人たちが、往々にして、というよりほとんどの場合、下心を持って近づいてくる、ということです。本当にあなたのビジョンやコンセプトに共感して近づいてきたのかどうか、心の中のことなので最後までわかりません。
自分を支持してもらう代価として何を与えるのか、 ということが、彼らの支持の強さや持続性を図るために最重要です。
権力を握ると多くの人が寄ってきます。しかし、ただ喜んでいると失敗します。
どんな味方も報酬を与え続けないと離反する、
という冷徹な認識が必要です。
⇒ その報酬とは、貨幣や肩書とは限らないので、いわゆる多様性思考を持ってないとダメだと思うw
特に若年層は、この傾向が強まっているので
こぉいう傾向は強まる。
よって「給料上がるから良いでしょ?」 的なのは、交渉にならないケースが増えていくと思うw
LGBT理解と同様、報酬の多様性に対する理解もダイバーシティ対応 適応だと思う。
・・・という理由で貨幣面でケチる経営者が出てくるだろうなw
16:コア支持層に身分保障を与えてしまうと、特定の部門が、情報が自分に入ってこないような独立王国化するかもしれません。
さらに、
自分にとって代わるような強力な競争相手が、
コア・メンバーの中から出てくるかもしれません。そうしたリスクを避けるために、
コア・メンバーの身分を安定させない方法を考える
というのは、権力者が最大限に頭を使わなくてはならないことの一つです。
「知らなかったし! 当然指示した訳じゃないもん!(オレは悪くない)」
と言ってたな。セブン&アイは
おそらくてめぇの考えがない上で “マンションのローン” という個人的課題をバネにうっかりトップになってしまい、周辺に頼らないと成り立たないが故の発言と推測するのだが、”信頼・怠慢・反感” のパラメーターは常に動くもんだと感じるな。
そして、”成り立たない人に対するサポーター” の思惑による人事じゃないかと推測するw
ちなみに 井阪氏が目指す “一枚岩” に対しては
そもそもコレだし
出口さん(ライフネット生命)の指摘のように思う。
17:ひと握りの人たちだけで権力を支えていると、権力者は安泰です。しかし、第三者である一般市民、一般社員も含めて幅広い支持層を形成しなければ、結局、動員力が欠如してしまいます。
コア・メンバーが一般の構成員から完全に浮いている状態、例えば貴族制、身分制のような身分が固定化された状態では、組織としてのパワーはフルに発揮できず、結局、対外戦争には勝てなくなります。
広範囲の構成員からの支持を獲得しなければ、外界との抗争には勝てません。
⇒ノブレス・オブリージュがあれば、貴族制の方が余計な欲に配慮しなくて良いから悪くない側面もあるとは思う。
現代の多くの人の悩みの根源は
“「何者にもなれる」 と言うが、現実そうはなっていない自分は成功していない”
じゃないだろうかw 百姓の子は迷いなく百姓になった方が、言い訳が正当だし良かった側面もあると思うw
強烈な音楽の精神性に見られるように “アイデンティティーと現実の紐付け” が課題なんだと思う。
18:ブラック企業と呼ばれている会社の多くは、極めて合理的な権力のダイナミクスを活用して競争に勝とうとしているだけです。
ブラック企業どころか、ダイナミックな意思決定を可能にする強い権力基盤と、幅広い従業員の動員を両立している優良企業 と言えるのです。
⇒ “勝とう” という概念に違和感を感じるんだよなw “より成長する” という語句の方がAZZLOはしっくりくる。 そもそも勝負させられない存在になった方が良い と思うw
そして “より成長する” ないしのポジティブな目的があった上での一時的なブラック企業化ならまだしも、現状維持・延命の為の終わらない・深まるブラック企業化は嫌だなw
こぉいう前提の中、グローバル資本主義が加速するのと連動して、日本企業のブラック化は加速するよな。
事実、優先して市場として狙われてる訳でw もう企業単位ではく、”ブラック国家” のシナリオに進んでいると思う。
“ブラック企業” の定義は、主に “残業” に纏わることだと思うが
好き嫌いではなくて、法律の問題であって、“長時間労働 × 低賃金” というダイナミクスに陥るならば、そもそも成り立っていないビジネス なんだと思うw
短期的な “勝とう” の概念では、”値下げする” もOKになるからなw
もちろん避けれない時期はあると思うが、その時期を飲み込む為には、いわゆるビジョンないしの共鳴が必要だよな。そぉいう共鳴らしき事を踏まえたブラック企業も存在するらしいがw もしくは悪意はないのだが、ずっと共鳴だけで留まってしまうケースもあるよなw
慢性的・深化するブラック企業は、離職率も高くなるので “幅広い従業員の動員を両立している” は、「そら入れ代わり立ち代わりですからね」 という事で合ってるが、それが優良企業という定義は、”短期的な納税・就職率” には寄与しても、今の日本の様に処方が効かないプラットフォームに繋がってしまうと思う。
※ “アベノミクスは失敗” かもしれないが、そもそも危篤を対象に素晴らしい処方 (投薬レベル) をしても、延命はあれど、結局末路は同じという事。
19:ゾンビ企業 トップの権力基盤は弱く、動員力もない場合
トップがリーダーシップをとろうとしてもややこしい外野がたくさんいて権力基盤が構築できない、しかも年功序列や出身大学の差による出世への影響などはしっかり残っており、身分制が残存しているような状態で、社員の動員力に乏しい、という会社です。
こうした会社は、すでに倒産しているか、倒産予備軍のはずですが、ゾンビ企業として存続し続けている場合もあります。
⇒ w。「(3月まで在籍した組織を)これ以上いじめないで!」 という気分にすらなるw
20:現代の戦闘に不可欠な動員力には、国益といわれるより高次のもの、死の危険を冒して戦うことができる、個人の生命を超えた価値、超越的な大義が必要になります。
国民が支持している超越的な大義のために、十分な資源投入を行う、という点が重要になります。つまり、
リーダーの説く大義が、広範な支持基盤に支えられる必要があるのです。
これは企業組織でも同じであり、
解雇の恐怖と太いボーナスは非常に有効でかつ重要なのですが、
それだけでは組織の動員力は本当には上がらないのです。
⇒ やはり “黒字で今期を終える” 等の呼びかけは大義というかビジョンとして共鳴はないよなw 毎年言ってたら尚更だしwww
更にそもそも
であって、15番の感想 を踏まえると、貨幣や肩書ではない報酬とは、”共鳴を確認出来る何かしらの条件” かな。
共鳴の確認が深まらない・そもそも無いのであれば、最低限貨幣面は担保しなければならない。
どちらも無い場合は、当然人が離れるよなw
21:ボスの失脚は、自分の最も身近な部下、支持基盤の中のコア支持層の 「うまみ」 を、それとは意識せずに、侵害してしまったことに対するリアクションが背景にある ことが多いのです。
⇒ それを恐れて何もしないと結局社会に取り残されて全滅だけどなw
22:「役員たちには、「役員室や秘書室は別だ」 という意識があった。一般社員とは一線を画することで威厳が保たれ、偉くなったような気分になっていたのだろう。
・・・・
諸悪の根源は役員室の秘書室の中にある。壊されて困るのは役員と秘書だけ。その意味では、むしろ真っ先に壊すべきだったけれど、抵抗が強く、ほかの壁より一年ほど遅れてしまった。
しかし最終的には、役員たちの説得をあきらめ、私の一存で休日を使って破壊してしまった。実力行使に出たのである。不思議と直接文句を言ってくる役員はいなかった」
(吉川廣和 『壁を壊す』ダイヤモンド社)
⇒ 今回の事象レベルで追求されるような働きしかない現実が残念なのだと思う。(舛添都知事とオリンピックについて今思う事)
と同様で、”一般社員とは一線を画する” 働きがあれば、役員室ぐらい別に良いと思う。
要は、指示待ち体質が抜けない役員なのであれば、豪華な役員室作って、”一般社員とは一線を画する” 自覚を持って頂いた方が良い と思う。
現実は、こぉいう事もあるらしいが。
23:人数が増えると、自分のビジョンに熱く共感する人たちばかりを相手にするわけにはいかなくなります。
別に共感はしないが、給料をもらえるからついていく、という人もいるでしょうし、そもそも、楽をしたいだけ、という人もいるかもしれません。真っ向から反発する人も出てくるでしょう。
自然と正当性が備わった創業社長ならともかく、二代目や雇われ社長の場合なら、なおさら言うことを聞かない人を相手にする局面が増えます。そうした場合、ますます 合理的説得という正攻法だけで組織を動かすことが難しくなります。
ここで権力の手を借りる必要が出てきます。しかし、必要に迫られて慣れない権力ゲームに手を染めると、往々にして失敗します。
⇒ “花柳流四代目” のゴタゴタとか、じいさん側が慣れてない感剥き出しだしなw
24:一人で権力を握り続けていると、輝きが色褪せ、ミスやほころびも目立つようになりますが、絶えず混乱していると、権力者は紛争の解決に必須の存在となり、地位が高まる のです。すなわち、
4 わざと混乱をつくり上げ、自分を仲裁者として位置づける
方法です。
最高権力者が現場に君臨することは、象徴的な意味で非常に重要です。最終的な動員力は、広範な支持層、現場の多くの人たちの支持から生まれます。中間をすっとばし、意識の上で権力者と現場が直結していることが重要 なのです。
25:接待は、権力基盤を構築するのに重要なツールですが、それをケチケチ運動で制限された社長ほどみじめなものはありません。
オーナー系企業の社長に比べて、サラリーマン社長は、味方に引き入れたい人に接待攻勢をかけられない、ということが大きなハンディになっているのではないでしょうか。
⇒ そして、接待が組織内だけの身内接待 (餌付け・ごますり) ばかりではダメだと思うw
広告代理店で言うなら、得意先・プロダクションさんを含めたチームが現実の組織として認識しやすいと思う。
案件毎に上記の指摘のような人間関係が広告代理店ワークだと思うので、「プロダクションさんには、他店の案件よりもオレの案件を優先してもらう」 様な権力というか信頼作りが、結局コンペ勝率に寄与すると思うんだよな。
そして接待(違う会社の人との関係向上)は “競合弱体化” という性格悪い側面も現実はあると思うw よって
“社内営業に必死な丸投げ値切り代理店マン”
では、実際業務で絡む人たちからプライオリティーを下げられるのは当然だし、自ら “競合強化” をしているとも言えるな。
26:いわゆる良い人が担がれるのは、既得権益を侵したり、これまでの役員をパージしたり、会社ムラの住人に迷惑をかけないからです。どの勢力にも敵対せず、人間性が円満なので、積極的なプラス面もない代わりに、マイナスも少ないのです。
そうした会社には、沈滞が長年続き、外から統率力のあるリーダーを呼ばないとどうにもならない状態に追い込まれているところも散見されます。
外からリーダーを呼ばないといけないのは、業界知識や専門知識、戦略立案スキルのためではありません。そういう経営を長年続けてきた会社には、自分の意思を抵抗勢力に対して貫徹できる、独裁力にある人が育っていないからです。
企業は、自己革新を常に続けていないと、競争相手に負けてしまいます 。
先輩:「あの偉いおっさんは、何も出来ないんだよ。コレといった案件や担当クライアント無いしね」
AZZLO:「じゃぁなんで偉くなったんですか?」
先輩:「上の言いなりだからでしょ・・・ポジもネガも無いからだよ」
この手の会話、何度したか分からないぐらい発生してたなw
ま、”上の言いなり” かどうかは別として、プレイヤーとマネージャーの気質は違うとは思う。
そして、外から統率力のあるリーダーが来てくれる素材ならまだしも だな。
27:経団連がすでにサラリーマン社長の集まりと化しており、ドラスティックな変革を起こすことのできる独裁力のあるリーダーの出現を、本能的に危険視している という可能性です。この場合、事態はより深刻です。
⇒ 日本国内だけで経済が回ってるならそれでも良い側面があると思う。
しかし、Amazonが典型的で、海外企業のサービスがWWWによる影響で普及しやすいのが現代 なので、ネット鎖国した方が国内の豊かさとしてはむしろ良いかもしれないなw 輸出も出来なくなるが、その方がマシかもしれない。
28:オーナー企業、ベンチャー企業のように、権力の集中が自然にできる会社では、権力エンジニアリングは不要です。しかし、組織が慣性に従って動くようになり、非決定が日常化すると、エンジニアリングの発想で、権力を設計する必要が出てきます。
できるだけ望ましい独裁者を権力の座につけ、
存分に個人としてのポテンシャルを発揮させるメカニズム、
強い権力を組織内に構築するメカニズム、
しかも、もし間違った場合にはそれをチェックするメカニズムが必要になります。
⇒ そして “何者でもないが故の権力信仰” で達成した独裁者は他の独裁者を嫌うので、後任を選定出来ない(育たない・排除する) という傾向も課題だろうな。
いつまでも
「オレが居ないとダメだ」
とか言う偉いおっさんは、自尊心の担保に夢中なだけで、組織の未来は眼中に無さそうw
そんな “オレが居ないとダメ” な組織は “オレ” が作った 訳だからな。
“チェックするメカニズム” は
この傾向が強まってはいるが、おそらく不祥事リスクを考慮した上でのトレンドであって、”より成長する” 方向ではなさそうなのが何とも残念に感じるな。
後記
“正しい権力の活用法” にあたっての障壁
結局の所
“組織運営よりも個人の自尊心担保(自己顕示欲)が優先されるが故、『偉い』 に伴う言動が伴わず、既存の上と下の人とで、ビジネスとは関係ない負のループにハマっている”
という事だと思う。
- ヒエラルキー(マネジメントポジション)・貨幣報酬が連動しがち。
- 現状のヒエラルキー・報酬システムならば “偉い” 人と “偉くない” 人との報酬差が小さいが故、偉い自覚が生まれにくい。
- 困ると “アイデア募集” はするものの、その募集開始も “上意下達” の一貫でしかない。そしてアイデアから動かないだけでなく見解のブラッシュアップも無い為 “下意上達” が起きず、下々は指示待ちとなる。
- “そもそも責任とは?”(辞めれば済むのか?)
課題は色々あるが、AZZLOならではの気付きはこんな感じかな。
徳の無さの原因
この数年同じ様な事を言葉変えて書いてきているがw 様々な歪の原因は
であって、原因の原因は教育だろうな。
この教育前提は、ローカル設定のランク(会社内のヒエラルキー・偉そうな肩書)に依存する導線だと思うので、“昇進” には成果を出すがビジネスには微妙 なのだと思うw
偉くなる前に必要な事
利他的なモチベーションで権力獲得を目指すのは良い (賛同者だけに向けた利他として勘違いが起きやすいので注意が必要だが) とは思うが、”肩書が欲しい” “手取りを増やしたい” 的なのは、範囲がちっぽけな利己的モチベーションなので、現都知事みたく落ちていくと思うな。
結果、”偉くなってから、マネージャー・経営者セミナーに行く” という導線が発生しているんだと思うしw マトモな先輩を見て育ったのであれば、そぉいうの必要ない と思うんだよな。
であるし、そういう先輩に恵まれてない場合は
こぉいう事と同じ状態になるのかもしれないw
報酬に関して
いわゆるプレイヤーとして結果を残す(売上が良い)人が、周辺をケアして共に成長するマネージャーとして相応しいとは限らない どころか、相反しやすい要素がある点から、組織内のヒエラルキーと役割を見直した方が良いと思う。
よくある “売上が良い人が偉くなる” の場合、「お前は出来ないな。オレは出来るもん♪」 もしくは嫉妬から 「アイツは結果は残すが協調性が無い」 等で部下をdisる事で自尊心のケアに盲目的になるケースが少なくない しw
イケてるプレイヤー(売上が良い人)のキャリアプランは、マネージャーじゃなくて、”スーパープレイヤー” という導線があっても良い と思うな。そしてマネージャーよりも給与が高ければ文句ないだろう。
ドラゴンボールの孫悟空は神になるのを断ったしなw
昇進ではなくヒーローの実現
“組織ローカル内で通用する偉さ” が欲しいのではなく “それぞれのモノサシによるヒーロー” を実現出来ないにせよ、落とし所を担保したいのが本当の欲求 なんではないかな?
カラオケの存在や、サラリーマン川柳の自虐っぷりは、”それでも主役” という足掻きが滲み出た結果だと思うしw
人によっては “組織ローカル内で通用する偉さ” がヒーロー条件の場合もあるだろうけど。
自身が設定しているヒーロー像に対してより高い期待がある場合、”嫌な義務” になる状態だが、現実は 「そりゃまあ 誰だって凡人言われなくても 誰だって知ってる」 (hide / DAMAGE) な訳なんで、清原和博の様に歪を抱えてしまう場合もあるだろう。
そもそも期待とは自己にする事であるが、”自分のヒーロー像と周辺からの期待” にズレがあるとパフォーマンスが出ないんだと思う。
特に期待に対して言動を一致させれてしまう、要は “ご期待に応えられる” 器用な方なんかは、ある段階で病んだりするのでw マッチングが必要という事だと思う。
その場合、“アイデンティティーを整理し終えているか?” が課題 になるな。
結局、人の欲求に権力欲というのは実際には存在しない 気がしてきたなw
そして、本来組織の上位者であれば、人間的魅力? みたいなアビリティもあって当然な気もするのだが、そぉいうのが無いから、起きていて当然な “独裁” について、わざわざ考えなきゃいけない状況がある気がする な。
とは言え、組織運営においてスムースな進行の為、そして、これから偉くなる人、偉くならなくても “より先輩” にはなる自分含む全員の人たちにおいて、”愚かさではないポジティブな権力” の認識を得た、面白い読書だった。
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