-読書感想- オタクのリアル / 安田誠

図説オタクのリアル―統計からみる毒男の人生設計

2011年3月発売。

2011年11月頃の読書。AZZLOはこの本の読書の最中、いわゆる “(アニメ・マンガ寄りの)オタクさんにウケが良いコンテンツ” を作っていた。既に製作に入っている最中、少しでも彼らの事を理解する為にこの本を読んだ。

組織のデータセンターなる新聞とかを集約する所から 「オタクマーケティングで参考になる書籍の推薦をして欲しい」という依頼に対して、リストに上げた本でもある。


1:自宅警備員やニートはしばしばバッシングを受けますが、内閣府の調査では、「働く理由は何か」との問に対し、51.6%の国民が 「お金を得る為に働く」 と回答しています。逆に言えば、51.6%は 「お金があれば働く理由はない」 ので、実は過半数の労働者はひきこもりやニートのような高等遊民になれなかった落伍者のようです。「働いたら負けかなと思っている」 はある意味真実ですね。

⇒逆に48.6%の働く理由が知りたいなぁ。

AZZLOも今の組織に所属するのは “日銭稼ぎ” という側面もあるが、 “生あるうちの使命を追行する為の都合の良い立ち位置” という側面もある。故に高額なギャラは必要としていない。

高額なギャラを求める人は、それが不可能なプラットフォームになった場合、組織を助ける働きはしないのだろうな。

2:2012年のシングルCD売上1位のAKB48は、昨年夏に国立競技場第一体育館(約1.3万人)を埋められませんでしたから、1万人規模のコンサートを成功させることの難しさがうかがえますね。

⇒確か、こういったデータを元に、コンペ案件において電通が出すとおもわれるAKB施策を真っ向否定しまくってたなぁ。

補足すると、AKBを嫌いな訳でもなんでもなく、AKBに依存する電通を踏み台にしようという趣旨であった。

3:アルコールの精神およぼ肉体に対する依存症は、あらゆるドラッグの中でもトップクラスで、一度アルコール依存症になってしまうと生涯完治することはなく、周囲の協力の下に断酒を続けるという対処療法しかありません。

⇒何故アルコールはコンビニでも買えるのに、他のものは規制されるのだろうか?揉め事を誘発したりする要素もあるのに比較して、平和なドラッグ的なもので規制されているものがある。

・・・考察するまでもない事だし、「アルコールも規制するべき」 とも思わないが、いずれにしても節度の範囲内で楽しむ必要があるのは明白。

4:そもそも、家に閉じこもりがちでモニターの前から動かないという生活スタイルは高齢者向け であり、リタイア後に年金をもらいながら時間を気にせずに、MMOで廃プレイをしたり、買うだけで満足していたDVD-BOXを一気に視聴したりする生活は、ある意味理想的なオタクライフといえます。積みゲーや積み漫画も老後のための備蓄と考えれば、無駄ではありませんね。

⇒その通りとは思うが、その時代のコンテンツであるので、その時代に一度は体験して欲しいとは思う。

ま、いずれにしても、作者の次の創作活動支援として、”おせふ” はどの段階でも良いのでするべきだとは思う。

5:幸せ=お金と考える人間は少なくありませんが、内閣府の国民生活白書によれば、日本はGDPが上昇し、国民が豊かになったのに反比例して、幸福度が下がっている そうです。これは日本が異常なのではなく、他の国々でもGDPと幸福度は比例していません。しかし、大阪大学社会経済学研究所の調査によれば、世帯収入と幸福度はほぼ比例するそうです。ただし世帯収入が1500万円を超えると幸福度は下がり、また、「人生の目的はお金」 という設問に対して肯定的な回答をした方ほど幸福度が低いという結果も出ています。

お金の多寡が幸福の基準 (金福基準) を肯定した場合、高度成長期のように社会全体が上向きだった時代には、大多数が幸せのレールに乗れました。しかし現代のように、これ以上国家の成長が見込めない状況下では、社会全体が金福基準で競争しても、ごく少数が幸福になるために、大多数が不幸にならなくてはなりません。上の世代の中には、戦後に広まった金福基準を固持するだけじゃなく、他者も同じ基準で幸福を計るべきだ と思っている方も大勢いらっしゃるようですが、オタク層のあいだでは 「きょうび流行んねーんだよ。ボケが」 という認識が高まりつつあります。

かねてから、オタクは独自の価値基準を持っているがゆえに、蔑みの対象とされてきました。そのため、オタク趣味を背徳的なものと感じる方も多いようですが、オタクは多様性を認めない金福基準から否定されてきたに過ぎません。元来が違う方向を向いている価値観に優越などなく、逆にいえば、金福基準を信奉する方がいてもいいのですが、そうした方ばかりでは 北欧のような国民の9割以上が幸福と考えるリア充国家 の仲間入りはできません。

自身にとってなにが幸せなのか、自覚し始めているだけでリア充といえます。今はまだ、金福派の残党が多いため、価値観を否定されることも多いかもしれませんが、もはや幸福を求めるならば 「みんなちがって、みんないい」 と考えるしかないことに、みな遠からず気づくことでしょう。

⇒こんなヤワめの本で、かなり本質書いていて笑えるw

金福派という単語も面白いワードだと感じる。しかも彼らを “残党” としているw


いわゆるハイライフ志向 (金の奴隷)は、目指しても達成しにくいから、人気の志向では無くなってるという事がデータでも明確に理解出来た。そもそも自分の親がリストラになっているのを目の当たりにしたりしている若者も多いだけに、当然の結果とも思う。

ハイライフ志向は、突き詰めると “秒速で1億円稼ぐ男” となり、彼の目的を達成している事そのものは立派だと思うが、笑いものにされる訳だしw

今後経済的格差が広まると、より弱者の群れ、悪く言うと慣れ合いは強化されていくハズだ。ニコニコ超会議のキャッチ “集まれば、強くなる” が明確に表してるし。

60年台の日本の学生運動の様にはならないだろうが、手段を変えた、”学生(弱者)運動” が発生する可能性は高まってる感じするな~。というか既に起きていて徐々に拡大してるんだよな~。

ニコ動・ニコ生の一つ一つが “弱者運動” とも言えるしな。

“オタクさんにウケが良いコンテンツ” が終わってみて

「こんなもの世に出していいのか?」

「ならばオレの妄想も出してみよう♪」

というきっかけとして機能している事を自覚したので

“弱者が胸を張って行動出来るきっかけ作り”

であった事に気付いたんだよな~。

ま、あんま振り返るとまた 「依存してる」 とか言われるな・・・w

いずれにしても、代理店的マーケティング思考で言うならば、”今のマジョリティーはいわゆるオタクさん” と言えると思う。

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