2007年末CISCO閉店もあり、よりPCDJが普及する感じの最中、先日Beatportに勤める友人に会ったので自分なりのまとめと今後の妄想を書いておきます。
デジタルソースでのDJに関して、自分はPIONEER CDJシリーズが出る前、DENON DN-2000F (これがちゃんと音が立ち上がる最初のDJ用CDプレイヤーだった)を購入していて、特にコンピCDを買えば、アナログ揃えるより安いしウキウキだったという過去があります。
でも当時は家庭でCD-R焼けない時代だし、CDで欲しいタイトル探すのなんて無理だったし、そもそも出てない時代だったので、結局アナログでした。CD-Rが普及してきても、アナログから録音する手間が大変過ぎで、移動が楽とかメリットはあれど、BULLETSでのPLAYで音響系のCDでしかリリースされてないタイトル使う時ぐらいでした。
で、ここに来て世の中はいきなりPCDJの波が!自分は試す前から「アーティスト名・タイトル名なんて覚えられないし、DJの覚え方って、バッグに入れた時の位置と色と手触りだから現場では普及しない!」と思ってたし、今もそこそこ思ってる部分はあります。基本CORE DUO以降のPCのパフォーマンス向上による流行がきっかけであるという冷めた考えがあります。
ピッチ合わせを抜きにしちゃったら、DJやる側も聴く側もかなりつまらないと思う。瞬時にピッチ合わせが出来るDJや、ズレを目立たなく補正出来るDJって職人的な意味でアガる。リッチーをREX CLUBで初めて見た時に、ヘッドフォン使わずレコード置いてピチコン移動してフェーダー上げて一切補正しないでロングミックスという離れ業を披露していた・・・。WADAさんは2台の音が出ている最中にピッチを変えていた・・・。
こんな職人的テクニックを生で突きつけられたらアガると思うのは将来的にはおっさんの思考になるんだと思うし、クラブに行くほとんどの人は、この部分ではアガらないんだと思うw レコードでのDJはメリットがないと書いたのは、この理由からです。
逆にピッチ合わせがテキトーだからこそ?魅力的な、HELLや二見さんでアガるというのも、無くなる感覚なんだろう。
あと、小さなポイントだし誰でも分かる範囲外でのうんちくは言いたくないけど、ズレてないように聴こえても、徐々ににズレていくので、それがグルーブの一つだったりもする。
今までのように2台なり3台で曲を繋ぐ作業という事であれば、正直かなりDJは暇になると思う。そこで!YOJI的パフォーマンスが魅力の一つになると思うけど、あれが出来る、ハマる人はまた限られてくる訳で、音の表現が良いのに動きが地味のDJは大変になるなんて未来は考えたくない・・・。既に肌の色が違うか、アイドル的な意味でメディアで見た事あるDJかどうかが、フロアの熱さの重要ポイントになってるのに、より音表現の判断から背を向ける事になる。
一方でBeatportでは今後、音素材も販売する予定との事。TRAKTORが4デッキ対応した時に、そんな予感はしてました。ただ、「素敵な音のループをピッチ合わせ不要で重ねられますよ」と言われても、「ACIDでやる事をTRAKTORで生(10本の指)でやるのは無理!」と普通は考えると思う。今の自分の思考では誰が頑張っても作り途中のトラックみたいな音しか出ないと思う。
おそらくTRAKTORも進化して、DJ用エフェクターみたいな拍数指定の展開が付けれるようになって、ある程度自動演奏・作曲みたいな機能が付くんだと思う。Beatportが提供する素材の尺自体に展開がついていても、他の素材と展開が合ってないと素材が一人歩きする場合もある。逆に全部が一緒だと誰がやってもFRANKIEみたいな事になる・・・。
よって1素材の中にAメロ・Bメロ・サビみたいなTRAKTORから指示が出せる展開違いがパッケージされて、各デッキ個別とマスター制御が出来たりなんかするんじゃないかな。
もちろんフルカスタム的な、サンプラーでいうところのKEYGROUPみたいな事も出来るだろうけど、そんな面倒な事してると「これ一曲にまとめて、書き出しておけば・・・」ってな事にもなる。
ある程度生でやる意味を作る為に、自動演奏のカスタムが出来たり、販売されていたりというのは想像出来る。dblue_Glitchが各デッキについてるみたいな感じかな。あ、ABLETON LIVE化って事ですね。
いわゆるアフター的な単純な構成の音楽なら、これである程度は聴ける音楽が生でやれるかもしれない。30分でクタクタになるけど、一晩にDJいっぱい入れれるので丁度いいかもしれないw DJだけで15人とかが当たり前の時代になるのかも・・・?
あとは、ABLETON LIVEにせよ足や視線入力使うようになるとか、入力デバイスに変化がないと、魅力的な音楽になるには難しいだろうな~。そのうち「DJ=曲を繋ぐ」という概念がない世代が、基本ただのループなんだけど・・・JAMIE LIDELの様に、魅力的にやれる人は出てくるとは思うけど。
音質に関しては、アナログである理由はないでしょう。44Gとかナイトクラブ程度のカートリッジなら尚更ですね。特に現場では出音をカートリッジが拾うから、更にメリットが無いです。もうあまり聞かなくなったけど、「アナログの音は暖かい」っていうあの合言葉。昔はD/Aの性能がしょぼかったのでまだ分かるけども、今でも言ってる人は、その人のアナログ環境は「冷たい音が再現出来てない」ってだけの話な気がする。
アナログの方が現場向きの音がするとかもよく言われるけど、単純に歪んでるからでしょう。テクニクスに直付けの白赤のケーブルでかなり歪みます。あとはマスタリングの差でしょう。カートリッジとテクニクス白赤ケーブルでのコンプ要素が無くなるので、コンプの重要性もより高まるだろうな。
現場側も、機材リストにD/A載せる日は近いだろうし、むしろ現場でちゃんとD/A管理してほしい。アナログDJで言うところの、カートリッジみたいなもんで、「高いD/A買える金銭力を持っているDJ程、音質がいいから魅力的に聴こえる」という事態は非常につまらなさ過ぎる。そのうちコンコルドみたいな定番が出来て、誰のPCにもドライバー入ってるという時代になるだろうけど、それまでは、ドリンクチケットと一緒にドライバーCD貰うみたいな時代があるのかな~。みんなUSBメモリーだけ持ち歩く事になるとか、最終的にはTRAKTOR上でログインすると、MYリストを出せて、そこからPLAYするなんて感じだろうな。ノートPCが一台あれば、電波がある場所では誰でも即DJ可能なんて時代か・・・。
あとはピッチ精度に関して。運が良かっただけなのかもしれないが、一曲を時間ずらして録音した波形を比較すると、1/1000秒すらズレませんでした。テクニクスは恐ろしく正確だと言えるけど、どうあがいてもズレるレコードは、製作段階、プレス段階でズレてるという事になる。この問題でかけれない曲って実際ある訳で、PCDJの普及で今まで無理だった曲が現場で鳴る可能性は秘めてますね。
今後数年間のうちに、現場でのPCDJの割合は半分ぐらいには簡単になっていそう。そのうちアナログでのPLAYは「CLASSIC STYLE SET」なんて言われるんだろう。
まとめてみると
- ○音が良くなる(ほとんどのケースで)
○移動が楽
○曲購入が楽
- △見た目がつまらなくなる
△曲を繋ぐという概念ではない、新たなライブのやり方が生まれる。というかDJがBeatportにやらされる。
△魅力的かどうかは別だが、高次元の表現が可能になる。
- ×ピッチ合わせの職人的テクニックがなくなる
×最低限の環境でもアナログと比べて初期投資が高い
×はお客さん視点だとホントどうでもいい事だな・・・w
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