-読書感想- ゲーミフィケーション / 神馬豪・石田宏実・木下裕司

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ゲーミフィケーション / 神馬豪・石田宏実・木下裕司

2012/4/10発売。2012年4月頃の読書。

ソーシャルメディアを活用した企業プロモーションとかは、広告的な一方的なお知らせで完結出来ず、生活者の能動的な参加があって成り立つもの。そのモチベーションを作るのが企画する上で非常に重要で、例えるなら “キャバ嬢を指名し続けるとイイ事が出来るかも?” 的な仕組みが必要。

スーパーマリオも、”キノコ取った上で、フラワー取れれば後が楽” 的な繋がりのあるしかけがある。

この仕組みは、”ステージの提示” とも言えて、そういう要素がゲーミフィケーションと言えたりするかな?と思う。

すぐ消えそうな広告業界バズワードだなとは思いつつもw しかけ構築の為のコアがありそうだったので手に取った。


1:「自分で欲しいものを検索する時代」 には、費用対効果の高いもの。つまり機能が良くて安いものが売れていましたが、「他人が自分の欲しいものを教えてくれる時代」 には、お金で判断できるような合理的なものよりも、「楽しい」 「みんなで共有したい」 と思われるもののほうが広がりやすいからです。

⇒AZZLOの趣向がニッチ故なのもあるのだがw あまりAZZLOが欲しいものを他人が教えてくれてないとは思う。検索しても日本語の情報少ない・・・。

“他人が自分の欲しいもの” を知る手段は、現状あまり無いよな。この辺は人的ではなくビッグデータ解析によって

“朝食を食べた人は会社に来てすぐにトイレに行く”

“駅のトイレに行く可能性も高いので、ポケットティッシュをオススメする”

という様な事は、全てDBとCPUがやってくれて、人は必要無くなると思う。

楽しかったり共有したくなるものの多くは、FACEBOOKのウォールを見る限り、あまり “売ってるもの” の情報はないな。

2:例えばお腹がすいていないのに、友達に誘われてご飯に行ったとき、飲食店に行ったという 「行動」 をしたことで、「お腹がすいているかもしれない」 と思考し、結局、ご飯を食べてしまうことがあります。

つまり、無料であっても 「行動」 させることで、「私はこの商品・サービスを必要としている」 と利用者が思考し始め、その商品・サービスを購入しようというモチベーションにつなげることができるのです。

⇒例え方はAZZLOよりも上手いかもしれないがw ちょっと違うように思う。

腹減ってなくても飯食ってしまう事はある。しかし試供品の大半は明けずに捨ててしまうのはAZZLOだけじゃないだろう。

3:日本では、戦後の高度経済成長の時代に 「三種の神器」 と呼ばれたテレビ・洗濯機・冷蔵庫が多くの人から求められ、支持されました。しかし、その時代には 「共感」 「遊び心」 「物語」 の3要素は必要ありませんでした。

⇒遊び心は分からないが、「力道山の試合を一緒に見たい♪(翌日友達と話したい)」 という共感はあっただろうし、”三種の神器を手にしたら人生合格” という物語があったと思う。

4:ゲームの場合はほぼ100%、すぐに何かしらのフィードバックがあり、自分の行動に対する結果が、すぐにわかります。この即時フィードバックがあることで、ユーザーは次の行動の選択をし続けることができるのです。

行動に対する結果がすぐにわかることで、次の行動を待つ時間 (タイムラグ) がなくなり、「早く次の行動をしたい」 というモチベーションが高まり、時間も忘れて行動選択をし続けていくのです。

⇒あとゲームの場合、基本 “ステージを上がる事はあれど下がる事は無い” から “時間かけさえすれば、先に進める” という要素がゲームにハマる要素でもあると思う。

5:例えば終身雇用、年功序列型の昇進・昇給精度です。自分が何年勤め上げれば、どんな役職につき、いくらぐらい給料がもらえるか、退職金はいくらぐらいになるかが、明確に示されていました。

しかし、このような昇進・昇給制度は年とともに崩壊してきています。経済状況や世界の市場との関係、為替の影響などもあって、給与水準は年々変化しますし、職種の変更や移動も激しく、人材の入れ替わりも激しくなっています。

次のレベルはどうなるのかが、ビジネスの世界では見えなくなってきているのです。

⇒いわゆる年功序列が “時間かけさえすればレベルアップする” ゲームと近い事を指摘したいのだろう。

もうそぉいうゲームでは誰もクリア出来ないんだろうな。

そぉいえば、AZZLOは小学校の卒業作文に

「大人はゲーム的考え方ににもう飽きたのだろう」

と書いて、大人をドン引きさせてたなぁ・・・w

6:「サービスを使い始めた初心者は、いったい何につまづくのか」
「サービスを使うことに慣れ始めた人たちは、どんなフォローや課題を求めているのか」
「サービスを使いこなしている人たちは,どんな新たな機能や権限を求めているのか」
このように利用者のことを事前に考えておくことで、利用者はますますあなたのサービスに熱中していきます。

⇒事前に考えるのではなく、ユーザーがつまづいた事実から、課題を発見して、改善をする必要があると思う。ソーシャルゲームの開発はどこで課金したか?離脱したか?のデータを統計学者が解析をしてゲームの微調整を繰り返している。

もちろん想定出来るに越した事はないが、想定出来たならば事前に組み込むべきだ。

7:スコアとランキングの技術は使い方を間違えると、プラスの要素だけでなく、マイナスの要素ももたらす 「諸刃の剣」 となります。(中略)
組織の風土によっても変わってきますが、単純にスコアとランキングを導入すると、通常は全体の20%の社員がやる気を出しますが、同時に20%の社員は 「どうせダメだろう」 「最低限の給料だけもらえばいい」 と考えて妥協してしまい、仕事に対するやる気を出さなくなることもあります。

⇒残りの60%の人はどうなるんだろう?

8:管理の仕事があるから効率的な営業ができること、給料がしっかり定期的に支払われること、営業が雨の日も風の日も頑張るから、オフィス内勤務の人たちの給料が出ていくことなど、お互いの役割をしっかりと理解し、「笑顔」 や 「元気さ」 「情熱」 といった、チームメンバーが仕事だけでなく、人間として持っている価値を評価し合う仕組みを導入すると、よりよい協力が可能となります。

⇒そうとも言えるが、”「笑顔」 や 「元気さ」 「情熱」 ” は数値化し難いし、この発想だと 「上司に逆らわず感じ良くしていれば仕事しなくても良い」 と言い始める人も出てくる。

業績が悪い際に、オフィス内勤務 (多くの場合総務系?) が “総務は売上の結果には関与していないので総務の給与は下げない” とかやるから、”総務なんて要らない論” が出てきて、1つの組織での “同じ釜の飯食ってる感” (本来は “感” ではなく事実) が無くなるんだと思う。

9:ゲームは、基本的に 「わかりやすいストーリー」 で構成されています。基本的な話の流れは、以下のようになっています。

① 日常の世界 (主人公はごく普通の生活をしている)
② 冒険への誘い (突然、敵に生活が脅かされる)
③ 冒険への拒絶 (敵から逃げ出したくなる自分と戦う)
④ 賢者との出会い (敵に立ち向かうためのアドバイスをする人が現れる)
⑤ 試練 (敵に立ち向かう自信をつけるための苦難に直面する)
⑥ 仲間・ライバルとの出会い (同じ意思を持つ仲間や、共感できるライバルが現れる)
⑦ 最大の試練 (仲間やライバルによって成長し、最大の苦難に直面する)
⑧ 報酬 (苦難を乗り越え、報酬を手にして帰還する)

話は、このように一定のフレームの中で展開します。このフレームワークは 「神話の法則」 とも呼ばれており、絵本や小説、ドラマや映画など、さまざまなジャンルで使われています。

ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)

と一緒だ。

10:クーポン券は通常、3日間限定や1週間限定といった期限が設けられています。そして、複数回の食事で使えるように3枚や5枚の割引券が渡されます。

利用者はそのクーポン券を見て、「この期間にクーポンを使わなければ損だ」 「できるかぎりもらったクーポン券を全部、使わなければ損だ」 と思うことで、通常よりも多い頻度でその店を訪れることになるのです。(中略)

特に膨大な情報が与えられる現代では、利用者に覚えていてもらう (マインドシェアを確保する) ために、リメンバーの技術は重要となります。

⇒クーポンは既にリメンバーの効果は無いと思うw (クーポン配ってそうな商売においては)

マックや牛丼屋のクーポンとかって、サイフに入れてるだけ邪魔だし、そんなしょっちゅう行かない。来店スタンプとかも、サイフの中にいっぱい入っていて、持ってるの分かってても、出すのが面倒臭いから使わないw

上記はAZZLOの主観だが、紙のクーポン使ってる人をこの10年見てない気がする。

11:限定版として成り立たせるためには、一緒に同梱する商品に魅力がなければ効果はありません。利用者に喜んでいただけるもの、「この特典ならゲームソフトの内容に関係なく欲しい」 と思われるものを提供することが重要です。

特典の質を高めると言われると、「コストがかかるのではないか」 と思うかもしれません。しかし、工夫次第で、コストのかからないものでも十分に限定版の特典として使うことができます。

⇒そういう特典はいわゆる “積みゲー” となるんだろう。積みゲーしちゃう人って一定数居るが、少数派だと思う。

“内容は関係ないゲームソフトにおいて、積みゲーしちゃう様な少数派を売上で上澄みしよう” という話なのだと思うが、なんだか消極的な指摘だな・・・。

12:ターゲットの対象を絞り込みすぎると、「ターゲット以外のお客様を取り逃すのでは?」 と心配になるかもしれません。

ところが、無限に近い情報や商品・サービスがあふれている現在では、「誰でも使える」 ものはなかなか魅力を感じてもらうことができません。むしろ今の消費者は 「人が持っているものとは違うものが欲しい」 と思う傾向が強くなっています。

ターゲットを絞り込めるだけ絞り込んだほうが、そのターゲットとなった利用者があなたのサービスに触れたときに、「これは私のために作られたサービスなのだ」 と思って、より愛着を持つようになるのです。

⇒ターゲットって、”殺傷する対象” の軍事用語な訳なので、”ターゲットを絞らない” という事は、”狙いを定めず発射する” 的な事象なので、そもそも成り立たないハズ。
狙わないのであれば、”数撃ちゃ当たる” 為の膨大な広告予算は少なくても必要だと思う。

そして 「人が持っているものとは違うものが欲しい」 の指摘は、1番の 「みんなで共有したい」 と相反する要素があるな。みんなで共有されたらもう要らないと言える。


・・・なんかどこにでも書いてありそうな、ステレオタイプな事をそのまま引用している感じだった。

AZZLOのこの読書感想も引用あってのものなんだがw その上で、著者なりの歪んだ?もしくは分かりやすく噛み砕いた見解とか読みたいんだよなぁ。普通な見解なのに辻褄合わない感じだった。

更に、ゲーミフィケーション的な事はギリギリ学べたにせよ、マーケティングへの繋ぎが全く無かったような印象。

9番の 「神話の法則」 を上げるにしても、

① 日常の世界 (給食が出てきました。牛乳を飲みました。)
② 冒険への誘い (突然、目の前の人が変顔をしてきました。)
③ 冒険への拒絶 (思わず牛乳を吹いてしまいそうになりましたが、我慢しました。)
④ 賢者との出会い (「牛乳は机の下で飲めばいいんだよ♪」 とアドバイスを貰いました。)
⑤ 試練 (先生に怒られました。)
⑥ 仲間・ライバルとの出会い (変顔に屈せず、牛乳を飲み干せる人も居ました。)
⑦ 最大の試練 (変顔する奴が、「ちゃらり~♪鼻から牛ぅ乳ぅぅぅ♪」 と連呼します・・・)
⑧ 報酬 (なんとか牛乳を飲み干しました。)
みたいな事は、日常的にあって、牛乳を吹かずに飲み干せた達成感はみなさんご存知でしょう?

とか、ま、いずれにしても上記例えはマーケティング関係ないがw そぉいうのももう少し欲しかったな。

あと、この本に限らずだが、AZZLOのピックアップする箇所が、”組織内マネジメント” に関する文章が多いな。

ま、組織内マネジメントは、組織内マーケティングがあった上で成り立つとも言えるので、被っている要素だとは思うが、あらゆる本に記載されているという事実、そしてAZZLOが書き起こすという事象が、時代を反映している感じがする・・・w

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