図を書いて整理する力が欲しいな~という欲求と、本屋に行くと膨大な種類があって気になるドラッカー。これを600円で手に入れられる、自分にはタイムリーな本をゲット。
今の自分の仕事は “生活者に対するブランドを活用したカタルシス創出” であると思っていて、押し付けではなく、能動的に参加・快感を得られる設計が必要だと思っており、マネジメントというものにも通じると感じていたのもある。
会社で弁当食いながら読んでると、あらゆる人に「ドラッカー読み始めたの!?」と声をかけれて、何度も上記理由を説明したりしました。
ざっくりとした感想は、”驚きは無いが偉い人が自分と近い思想を持っていたので自身になった” という印象で、ウチの会社は真逆の体制である事を知った。学歴ある人集めてるし、電通の後追いである既に起こった事への関心は高いのに、世の中で大人気のドラッカー風な社風になってない事に疑問を感じた。
内容ではないが、久恒啓一さんの文章は非常に読みやすい。どの本を読んでも多少読み返して整理しなおしながら読む場合が多いのだが、この人の場合はスラスラと読み進む事が出来た。
以下気になった部分をメモ
・たとえば「マネジメントは一般教養である」とドラッカーは述べています。つまり教養人とは、つねに生き方を自らに問うている人だということでしょう。
・「イノベーションにはリスクが伴う。しかし、イノベーションを行わないことのほうがリスクが大きい。イノベーターはリスクを明らかにし、それを最小限にする。だからイノベーターは保守的な人である」
・「理解」「疑問」「反論」の3つを明らかにすることこそが、思考をクリアにするたけの最善の方法だと私は考えています。
・会議過多症にかかった組織は、日頃から時間のムダを生み、社員から時間を奪っている。したがって理想的組織とは、会議のない組織である。
・「彫像の背中は見えない。見えない部分まで彫って請求するのはおかしい」と言ったところ、フェイディアスは「神々が見ているではないか」と答えたそうです。~中略~ “誰も見ていなくても、誰からも求められなくても、仕事では自分の持てる能力をすべて注ぎ込んで、完全を目指すべきだ” ということです。
・履歴書には学歴や経験、職歴を書きます。しかし本来、学歴は学校歴ではなくて学習歴を、経歴は役職ではなくて経験歴を、職歴は毛権した職業ではなくて仕事の歴史、つまり仕事歴を書き入れるべきではないでしょうか。
・意思決定においては「どんな決定が受け入れやすいか」「反対意見が少ない決定はどれか」といった観点からスタートしてはいけない
・決定されたプランを具体化する行動方法や取り組み手順、実行責任者や担当者が明確になっていない意思決定は、実は決定ではなく単なる “意図” にすぎない
・したがって、成果を上げる人間は、意図的に意見の不一致をつくりだつこともある
・成功するか否かは五分五分—-このようなときは、意思決定者である自分がこのプロジェクトに大きく関与することで成功する確率が6分4分、あるいは7分3分と高まっていくことが見込めるなら前向きに決断することが大切です。
・リーダー個人の資質に頼りすぎる組織は破滅に向かうことを歴史が証明しているとも言えるでしょう。
・信頼されるということは、必ずしも好かれることと同義ではないということです。人間的にはいい人だが、リーダーとしては信頼出来ないというケースは意外と多いものです。
・少なくとも、組織に依存する人間よりも、組織に属しながら組織を必要としない自立した人材を新しい組織は求めています。
・弱みを指摘して、「ここがダメだ、ここを直せ」とマイナス評価を与えるのではなく、その人の強みを「キミはここがすばらしい、ここを伸ばせ」とほめて育てる
加点主義こそが、より大きな成果につながり、人材育成においても効果を得られるわけです。
・上司と部下は互いの強みを生かしあって、全体の成果に貢献するというのもドラッカーの主張です。
・企業は人なり。人間が育たない組織というのは、遅かれ早かれ自滅していく運命にあることはあえて指摘するまでもないことでしょう。
・たとえば、禅の公案にある「木が倒れても、それを聞く人がいなければ、音はしていない」とい例説をあげて、この音こそがコミュニケーションの本質だと言っています。
・コミュニケーションの主体は情報の発信者だと思われがちだが、実は逆で、すぐれたコミュニケーションとは情報の受信者が主人公なのだ
・マネジメントの主体をシステムに置いて、個人に帰属させない—それが組織の安定的な継続と発展に必要なのです。もしマネジメントが一人の能力だけに属していたら、その人がいなくなったとたんに組織は機能しなくなります。
・「大量生産の時代に、生産効率を上げるために社員を整然と動かすことを目的とした科学的な管理手法」—-そんなイメージがいまだに強く、日本ではマネジメントは既存組織を存続させるための経営手段とか、前例踏襲や現状維持のための方策など、組織経営における技術論として語られることが多いようです。
・「事業とは何か」を定義するのは顧客であり、事業の定義を組織全体に浸透させることがトップマネジメントの第一の責任である
・自分たちはこういう事業をしている、こういう会社だという定義は、内部の論理ではなく、外部の視点からも逆算的に規定されるものだからです。
・失敗はもちろんのこと、成功もまた会社の目的・使命、強みを見直すべき “危機” の時期であるという指摘は、示唆に富んでいます。
・つくる側や売る側でなく、買う側の目で商品の価値を洗い直す。そこから思ってもみなかった新市場が出現する
・NPOの使命重視の活動は、「得るべきもの」より「与えるべきもの」を優先するため、メンバーはおのずと利用者のニーズや要望に誠実に応えることを自分たちの役割や責任と考えるようになります。
・つまり、一緒に仕事をするためには、まず組織の目的が明確であるということが大前提で、その上でよいコミュニケーションというインフラの整備が不可欠であり、それらがそろって初めて共同の仕事が始まるのです。
・(悪)影響を取り除く行動そのものを新しい事業の機会へと転換することが企業マネジメントの役割である
・目的を追求した結果が利益につながるというのが、企業組織の本来のあり方であり、それによって初めて企業は社会に継続的に存在できるのです。
・また、リーダーたちが「利潤の極大化こそが企業の最大目的である」と利潤動機の説明だけに終始して、利潤の正当な機能や役割についてきちんと説明しない点は、ドラッカーに言わせれば資本家の欲望について語っているだけで、企業の社会的役割には触れていないことになります。
・だからこそ、人事部門こそ最も戦略的でなければなりません。人事部とは人の序列を管理するセクションではなく、人という最大の資源を有効配置して、正当な評価と処遇を与えることで社内を活性化し、企業の生産性を向上させる推進力となる「企画部門」ではなくてなりません。あるいは社内コミュニケーション中枢の「情報発信部門」である必要があります。
・日本の混乱と停滞は、けっして行き詰まりではなく、変化や再生への転換期だと考えるべきではないでしょうか。
・だから、私たちがすべきことは、明日のために今日何をすべきかを考えることではなうk、「すでに今日に含まれている明日を探すこと」「いま発生していることの未来への影響を見通す」ことです。すなわちドラッカーの有名なフレーズですが、すでに起こった未来を探すことが大事なのです。
・苦情には未来の市場動向がすでに潜在しているととらえるべきなのです。
・変化対応ではなく変化想像こそが企業が次なる社会に生き残る道だ
ストレートに読むと、「あぁ・・・ウチの会社ダメだ。こんなんじゃ先も明るくないな。」で終わるし、多くの人がネガティブなオチのまま終わるのだが、”企業(組織・会社)”→”自分” “事業”→”行動” と置き換えてみると、途端に色々やりたくなってくるw
冒頭で書いた
世の中で大人気のドラッカー風な社風になってない事に疑問を感じた。
は、選ばれた高学歴の人間集めてるのに、スムースじゃない環境になっている事への疑問だ。みんなドラッカーぐらい読んでるだろうに、何故上記の様な置き換えシンキングを思いつかないのだろうか???特に街のノイズ(会話)を聞いてると、やれている人がまったく居ない。
ドラッカーが全てではないが、ドラッカーを理解するのではなく、共感・ぼちぼち行動出来る(してしまっている)自分が居て、そうじゃない人達が多い今の時代は面倒ではあるが、自分にとっては好都合な時代だと感じた。
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