アウトプットと報酬のバランスについて

「日本の研究者は奴隷」なんだそうな

先日から “LEDでノーベル賞な3人” が話題になっているが、そのうちの中村氏は当時在籍した日亜科学からの報酬が2万円だった事もろもろの事象をきっかけに、裁判をして約8億円を受け取ったとの事。(2004年時点)

判決後の中村氏のコメントは

「低い金額だと日本中の技術者にショックを与える。ほっとした」

という事で和解したとの事。海外の研究者に日本の報酬の低さから

「日本の研究者は奴隷」

等と言われていたんだそうだ。

タイムリーに政府が調整中

そして今、タイミングを合わせたかのように、政府は

“職務発明の特許を社員ではなく条件付きで企業が持つようにする”

方向で調整中だそうで

「それでは日本の研究がダメになる (研究者に報酬が入らないから)」
「日亜科学は悪。政府も悪。」

的な見解が多い。

しかし、そうではない側面もある気がする。

研究者の目的は?

そもそも

「研究者は金が目的で研究し始めるのか?しているのか?」

と思うw

おそらく研究者のモチベーションは金ではなく、“達成した爽快感” とか “次の研究に繋がるベースを作った自覚 (バトンを渡せたという自覚)” じゃないだろうか? もちろん金も一つの要素として機能するが、プライオリティーは1番目ではないと思う。

エビデンスの問題なんじゃないの?

仮に中村氏が 「金の為に研究していたのだ」 という事であれば、「達成したら幾ら頂戴ね!」 という話をして、エビデンスを残しておくべきだったと言える。納得出来ない条件であれば、達成間近の際に独立して個人の成果にすれば良かったのだw (それが法的に可能かどうかは知らないし、逆に日亜科学から訴えられそうだがw)

そのエビデンス、元々の日亜科学内のルール、法的な研究者に対する報酬制度を、日亜科学が守らなかったのであれば、そら裁判も仕方がないが、そうでないのであれば、「金にうるさい研究者の方が、むしろ奴隷」 と感じるw

中村氏憤慨の背景は “コンプライアンス” なのか “金” なのか?

法改正の検討から分かるのは、”今までは特許は社員のもので、報酬も2万とかじゃないレベルで社員に支払われる” べきだったからこそ、実際中村氏は裁判して勝ったのだろう。よって裁判は “法的な研究者に対する報酬制度を、日亜科学が守らなかった” のが現実だろう。

しかし 「低い金額だと日本中の技術者にショックを与える。ほっとした」 という発言を読み解くと 「2万で終わった・・・w」 という 金額の大小が中村氏の憤慨の理由 とも言える。

確かに報酬2万円というのはショボ過ぎで、「だったらいらねぇよw」 的な感じだがw 法を守らなかった企業にムカツクのか? “2万だったから” なのか が気になるな。ま、おそらく掛け合わせ的憤慨だと思うが、後者の理由については 幾らだったら良かったんだろう か?

経営側は結果が出ないかもしれない研究に投資をしている

経営側からすると、達成するまでのもろもろの投資がある。ネガティブに言うと

“お互いに痛み分け”

というバランスが悪かった事象なんじゃないかなと思う。本来は “お互いに尊重” というポジティブな状態が好ましい。

健全な関係性

社員と企業の本来健全な状態は

社員:「達成感気持ち良かったし、企業価値を上げれた自分は良い働きであった♪」
企業:「ここで楽しんで頂けて何よりです♪」

と感じれる状態であると思う。要は日亜科学と中村氏はチームの状態になかったと言える。(達成時点では)

“中村氏が達成した聖地” として定義すれば良かった

・・・とは言え、達成出来る状態まで日亜科学は投資した訳だし、その上で

「日亜科学はイケてる!僕も私も日亜科学で研究してみたい!(そんな聖地で達成した中村氏はイケてる!)」

というモチベーションが高い人が目指す場所になるべきだったと思う。より具体的に言うと

“中村氏が退社・死去した後も、取り組みたい人達が集う事で、1人では達成しにくいレベルの達成可能性を高め、スピードも早まる広場”

になるべきだったと思う。ま、日亜科学に限らず組織というのは本来そぉいうもんだと思う。

必要なのは “より研究を促し達成する” コト

研究者が強すぎた場合、企業視点だと

「投資をして達成すると訴えられる・・・」

「どっかの特許に支払って何かした方がリスクがない」

となり、むしろ日本の研究は停滞する側面もある んじゃないかな。

故に

“職務発明の特許を社員ではなく条件付きで企業が持つようにする”

方針は、悪く利用する経営者も少なくないだろうが、前進する為には必要な条件とも思える。役員報酬にばかり回すのではなく、次に繋がる投資を企業が続けるのであれば だが。

※中村氏の研究を許諾した、サポートしたハズの日亜科学の当時の経営側は、それなりな報酬は手にするべきだと思う。

そうでないと

「達成間近になると、経営側がそわそわして、研究者のキーマンを退職させる動きに出る。言いなり奴隷に続きを任せて適度な達成報酬 (口止め料) で着地する」

という事が起きそうだw

いずれにしても、“私利私欲はチームを崩壊させる” と言えそうだ。

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