「ipod(ハウルの)に何か音楽入れて欲しい。マイルスとかさ!」と、素敵な相談を頂く。星子の写真撮影 に続く非常に楽しいお題だ。
ハウルは散々通っている訳で、あの空間にハマる(というかハマらないものを排除する)音のチョイスには自信がある。
現在の音は近所に住むタマちゃんさんがチョイスしたもの。このリストに追加する形なので、現在のリストと混じっても、違和感がないものが良い。
そして「マイルスとか」という具体的な名前があがったが、完全なJAZZは、個人的には堅苦しいというか、”大人の会員制バーですよぉっほぉぉ” という “都市生活に憧れる田舎者” みたいな臭いがする場合も発生しそうなので、ちょっと排除したい所。(デニーさんが居ればそんな事にはならないのだがw)
マイルスも時期によって色々と違うのだが、なんかホテルのバーで男女が飲んで、
- 男「今日は・・・ここの部屋とってあるんだ・・・」
女「・・・(無言で頷く)」
みたいなマン汁臭ぇJAZZはイヤなのだw
※マン汁臭い事そのものは好きですw
そして自分のBGM論だが、基本的には “ノイズ消し” が役割だと思っている。よって飲んでいる際に「あら!この曲素敵ね!」と意識を音楽に持っていってはNGだと思っている。音を意識させず、隣の会話を聴き辛くしつつ、でも意識を向けると「良い選曲っすね!」となるのが正解だと思う。
で、当然、ノイズ消しの役割は空間や体験してもらう内容によって、音の選別も違ってくる。例えばFRAMESなんかのCAFEであれば、軽めのおしゃれハウスが丁度良いだろう。
しかしハウルではそれはハマらないw
まだ読書感想は書いていないが、”回転率を上げたい店はハードな騒々しい音楽をかけるべきで、落ち着いてもらいたい店はスローな音をかけるべきであるのだ” みたいな事が書いてあった。BPMだけでは括れないハズだが、まぁ意図は分かるし、”音で場をコントロール出来るのだ” という事だと思う。
ま、ハウルにおいては会員制だし、ハマらない人はすぐお断りしているのでw あまり音による効果(排除効果)は必要ないっちゃないのだが、心地よく感じる人を定着させる意味や、会話の意味に深みを付加する等には意味があるだろう。
更に自分として面白いのだが、DJは自分で曲順や切り替え所を操作出来るが、ipodのランダム再生だと次に何が来るか分からないw そんな状況でも “おかしなことにならない” 曲を入れるというのは、様々な状況を想定して選曲をする必要があり、非常に妄想しまくらなければならない。
・・・そんな課題をクリアする為に、約1万曲入っているitunesから選別作業を始める。とりあえずこのお題の最大公約数的な曲はこんな感じだ。
いわゆるABSTRACT HIPHOPだ。主張がなく、適度に生音、適度に打ち込み、テンポも適度。音量も適度。テンションも適度。体を揺らす事も可能なビートだがファンキーさは無し。音の隙間(音質)も適度。悪く言うと “なんでもない曲” だ。
この辺は既にタマちゃんさんのリストにも入っていた感じなので、これを基準に幅を広げていこうと思う。で、「マイルスとか」というお題においては、このThe Mighty Bopの近隣アーティストであるDJ CAMで対応出来る。
アルバムSubstancesの曲間を繋ぐ間奏曲を集めた動画だ。全部がマイルスかは自分の知見では分からないが、PART2は確かマイルスで聴いた事があるフレーズだし、”DJ CAMはマイルスサンプリングしまくっている” と、PARIS在住時にフランス人に聴いたので間違いないだろう。
ガシガシアッパーでなければ、四つ打ちもありだろう。
90年代のYELLOW PRODUCTION周辺はハウルに限らず、どこでも排除される事は少ない音だと思うな。
ちなみにデニーさんをイメージするのはこんな曲。
明確な規律があり、テクニックを自慢しない。そして入り込んでみたい隙間がある。その隙間に入ってみようとすると、鼻息で吹き飛ばされるw 短時間で「完敗しました」と言う事を快楽にさせる。そんな感じがデニーさんとぴったりなイメージだ。
・・・しかし一般的なHIPHOPは “ちぇけらっちょ” でちゃらいイメージが強いが、DJ KRUSHはほんとストイックだ。”一人一ジャンル” な感じもデニーさんにハマる。
そしてハウルという空間には、少しクラシックがハマるイメージがある。実際タマちゃんさんのリストとは別に数十曲クラシックもリストに入っているとの事。しかし自分が選曲するならド・クラシックではなく、いわゆる “斜め上目線” なものを用意したいw
REFLEXやWARP(レーベル)のビートが弱いものも色々とハマる感じがしてきたので、いわゆる当時の “インテリジェントテクノ” を漁ると、こんなのもハマる感じがする。
一応、JAZZ的な音色はそれなりに集まってきたし、ちょっとテクノなものも入ってきた。そして、たまちゃんさんのリストではJUAN ATKINSなんかも入っていたりする。
もちろん大好きな曲だが、ちょっとBPMが速い感が強く出過ぎる。ま、”テクノもあり” という解釈を強め、選曲を続ける。
テクノといっても、色々と幅がある訳だが、”聴きやすいエレクトロニカ” をチェックしまくる。個人的にはBOARDS OF CANADA好きで、ハウルでかかってもおかしくはないのだが
ちょっと幻想的過ぎだし、人の声の帯域に近い音においてリリースが伸びる事で、ノイズ消し以上の効果が出てしまう。飛び道具的に入っていてもマズくはないが、ちょっとインテリ臭が鼻に付く感じもするので、排除した。
この辺は聴き流せる感じで丁度良いだろう。
アクが強いが、まぁ大丈夫だろう。小音量だとちゃかちゃか五月蠅いだろうから、プリマスマスタリングで調整は必要だ。
こんなのもまだ大丈夫だろう。で、この曲で思い出したのがJean Jacques Perrey。ちゃんと大文字小文字を分けて書きたい名前だw 自分は酒が入るとMOOG系音楽が心地よい。
それとインド歌謡のサイケデリックさも欲しくなる。ま、インド歌謡は下北の埃が積もった汚い店とかで昼まで飲んでるような時に聴きたいイメージなので、ハウルでは違うなw ハウルは埃落とす場所なので、そこが埃っぽいと “弱者の集い” みたいな痛い感じになってしまうだろうw
・・・で、まんまJean Jacques Perreyとかは個人的には最高なのだが、はっきり言って浮くし露骨だ。
しかし、この世界観は飛び道具の範囲で納まるものを何か入れておきたい。という事で、以下の曲を選択。
言われなければ、完全にJean Jacques Perreyだがw ま、ちょっとエゴも入ってても良いだろうという事にしてしまうw
そぉ言えば、最近酒が入ると心地良い音にSeñor Coconutもある。
ここまでアッパーでウキウキだとハウルには合わないが
これのBehind the Maskぐらいならありかな。
そんなこんなで作業をしている最中ハウルに行き、冒頭に書いた、”意識を音楽に持っていってはNGだと思っている。” について、デニーさんに話すと、「あら!良い曲ね!ってなっていいよ」との事。
ちょっとアクの強い曲も入れて、約180曲をセレクト。再生時間は約10時間だ。十分だろう。そもそもipodの残り容量が分からないので、実は何も入らないという事もなきにしもあらず・・・w ま、にしても今後何かに使える選曲リストが出来た。
で!さすがに180曲なので、全てを一曲づつプリマスタリングするのは、キツい。トータルコンプに、マルチバンド系を複数使って、書き出していき “パッと聴きの体感ボリュームは同じ感じ” でWAVE書き出しをしようと思う。
・・・しかし、当然だが180曲の最大公約数のコンプ設定なんてありえないし、コンプ無しだと6dbぐらいレベルを上げないと、同じ音量にならない曲がちらほらあり、音量だけでなくバランスも整えてみた。・・・となると今までOKとしていた大半の曲も調整が必要になり、結局全部プリマスタリングを始める・・・。
作業を始めて一週間だが、既に2/3ほどは調整が出来た。RMEのオーディオインターフェースのお陰だ。瞬時にするべき調整が分かるし、ABLETON LIVEのマルチバンドEQ、マルチバンドコンプ、リミッターの3つを各チャンネルに挿す程度でほとんど調整が出来た。
今週の平日夜作業で、残りは完成しそう。しかし一曲づつ書き出す作業もあるし、出来れば完成品を自分でじっくり聴いてから、微調整するものはして(ハマらない曲とかもあるかもしれない)納品を目指します!!
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