-読書感想- 高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 / 勝間和代

2011-04-23 14-20-23

高学歴でも失敗する人、学歴なしでも成功する人 / 勝間和代

非常に自分にハマるタイトルだw

・ウチの社員は高学歴の中から更に選んだ人間なのに、何でこんなアホばっかりなのか?
・政治家の発言、特に管の「今までは仮免・・・」発言からエリートって何?と思う。
・駅の階段の “のぼり” “くだり”矢印すら理解出来ない日本人を多く輩出する日本の教育には問題ありじゃないか?

日々こんな疑問を持っていて、ヒントがありそうだったので、この本を買った。

・・・しかし帯にある “本当に「頭がいい」人たちの共通の秘密を明文化” というキャッチには疑問を感じている。まぁこの言葉で差す方向性は、自分を含め大体同じ方向を指すのでキャッチとしては良いのだが、まず “頭がいい” の定量化が明確でないと本来このキャッチは使えないだろう。

年末に勝間和代(と上杉隆)を 朝まで生テレビで初めて見た 時の感想は、”思考がクリアだ” と書いた。自分としてはおそらく、”ちゃんと論理的である” という解釈だったんだろう。基本ポジティブなイメージを持っている勝間だったが、このキャッチによって疑いを持って読み始める。

1:できる範囲で、聞いたこと、読んだこと、見たことは、自分で確認をする癖をつけます。あるいは、聞いた段階でまだ調べていない情報は、それが未確認情報であるということを理解した上で、確認情報とは違う取り扱いを頭の中でするようにするのです。

2:私たちは、見たものを鏡のようにそのまま頭の中に写しているわけではなく、自分の理解というフィルターを通して、見たものを違う情報に変換してしまっているのです。そのため、自分のデータベースが豊富である人ほど、ものを正確に映し出しやすくなりますし、「スコトーマ」といわれる、心理的な盲点になる情報を少なくすることができます。

3:私たちの脳は、大変な能力を持っていますが、それを最大限に生かすためには、頭の中に入ったものを、ことばでもほかの感覚でもいいので、つなげてあげること、引き出せるようにしてあげること、そして、そのつながりから、新しいイマジネーションや創造物を作れるようにしてあげることが必要なのです。

だからこそ、いろいろなところで見聞をし、歴史を知ったり、食事をしたり、映画や小説・お芝居で自分のことのように他人の人生を味わったり、疑似体験をしたりすること、そして、その体験同士をうまくつなげていく意識が頭の回転をよくしていきます。

4:周囲で「決まりだから」「前例がないから」「そういうものだから」ということばが飛び交っている職場にいる場合には、その上司や同僚の下からはさっさと逃げることを強く勧めます。

5:私がいたJPモルガン・チェース・グループなどは、営業や投資銀行部門だけがそのようなサバイバル職場になるだけでは人が伸びないので、人事、経理などの内勤についても、それだけを切り出した、グループ内向けサービス専門会社を作り、そこから銀行や証券会社の要望に応じて人を派遣して人事・経理のサービスを提供する、という形態を取っていました。

6:自分の経験 → より汎用的な実例 → 実例を統計処理したもの → さらに統計の上にある概念

というような形で、自分の頭の中でどの程度の抽象度の話を今しているのか、整理しながら、自分の経験を核として、より自分の思考のデータベースを膨らませていくのです。

7:何でもいいから興味のあることの勉強を続けていると、範囲がしだいに広がっていって、ある時から突然、なぜ勉強するのか、それぞれの科目にどういう意味があったのか、腑に落ちる日が来るのです。

8:売れた物はPOS(販売時点情報管理)データを見えば十分ですが、それはお客さまが欲しかった物のうち、たまたま売れた物がデータになっているだけですから、必要なデータの半分でしかないのです。それにいかに気づくことができるかということが重要です。

9:「ここは借りておいたほうがいい。逆に、借りておくことで相手の庇後下に入り、相手を巻き込んでおこう」とおいうことを瞬時に判断するのです。~中略~ストリート・スマートの人たちは、甘え上手だし、頼り上手です。

10:知識・教養を身につけようと思ったときに、当たり前で意外なことですが、自分がどこのコミュニティに属していて、どんな人と日常的に会うことができるかということが、大変重要です。

11:メディア、というと私たちはマスメディアを想像しがちですっが、自分のみの周りの人は、実はマスメディア以上に私たちに影響を与え得る「メディア(媒体)」なのです。~中略~身の回りの人たちを、学習欲が高く、そして、こちらが学びたくないエリアの造詣が深い人で囲むことができれば、それは最良の学習環境になります。

12:抽象的なものをさらに自分のことばで表現し、あるいは何かの知識や固有名詞の塊を、より上位概念でくくったものを、「概念のボキャブラリー」という形で考え、それを増やしていくということです。

13:(略解)「知覚するための視覚」と「行為の為の視覚」は別のものであるということです。自分で行動に移して体感しない限り、私たちは情報に対して正確な認知がでいないということです。

14:人こそが、コンテンツの塊である、いちばんの元データを持っているからです。本やインターネットはたまたまその中の一部が外に出ているだけで、本当にいろいろなことを分かっていて、知っているのは「人」です。

15:大変面白い現象だと思っていることに、少ない労働時間で大きな付加価値を上げる習慣がある人は、若いころから大変な確立で「運動オタク」だ、ということがあります。

16:世界恐慌の時につぶれかけたゴールドマンサックスを救った中興の祖、シドニー・ジェームズ・ワインバーグは地元の公立中学を2年で中退して、それ以降学校には通っていません。

特に3番は面白い。DJ体験を真面目に堅苦しく言うと、こんな感じとも言える。

5番は多くの企業で導入した方が良いシステムだろう。ウチなんかの総務系はいわゆる “使えない奴の墓場” と見られがちな人が多い。”墓場である” と言い切れないのは、自分のポジションを認識して組織の潤滑油として機能しようという意思がある人も僅かには居るからだ。

8番はライフログ発想の1つだろう。WEBではPVと観覧時間による “気になったもの” “比較したもの” が正確に取れている。

10、11、13、14番はこれもDJ体験とリンクする。最近、クラブと言われている(言われていた)コミュニケーションスペースは単純な発散する遊び場ではなく、学び・教育の場であったと振り返っている。暗いダンスフロアーで視覚を調整しつつ、他の人も交えてダンシング(実行)。DJのストーリーを解釈・期待・想像するという行為は学習の快感の根源を抽出した行為であると整理出来る。

夜のダンシングコミュニケーションスペースの必然性が1つ整理出来た!!!勝間万歳であるw

“ダンシング(実行)” の深堀はもっとしてみたい。正直ちょっと自分に都合が良い解釈をしすぎな所がある。体を動かす行為、ビートに合わせる行為が掛け算的に大きくなる理由を作りたい。

15番はチャリにハマっていた時期は良かったのだが、今はダメだ・・・。

16番は、自分には非常に都合が良い。自分も中2で中退(その後一切顔出さなかったし連絡も取らなかった)してるからだ。本当に都合が良い逃げの要素にならないように気をつけたいと思う。

16番のように “○○さんは学歴なくてもこんな凄い実績を残しています” という事例の話を期待していたのだが、正直、勝間和代がいかに頭がいいか?やや自慢テンション含まれる本であった。・・・が、参考になる事も多くあった。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)