-読書感想- 広告ビジネス次の10年 / 横山隆治、榮枝洋文

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広告ビジネス次の10年 / 横山隆治、榮枝洋文

2014/5/15発売。2015年3月の読書。

発売当時、広告業界でザワっとした本。普段AZZLOが言っている 「ビッグデータがないと蚊帳の外だから食えなくなる」 という事を詳細にわたって書いてあるので、非常に痛快な本だったw

そもそも横山氏がこぉいう本を出さなくても、気付くのが代理店スキルとして必要だと思うw


1:マーケティング領域へのテクノロジー活用の指南、分析、運用が果たして広告代理店にできるのだろうか。当然、従来IT予算を受注しメシを食ってきたシステムインテグレーターたちがこの動きを黙って見過ごすわけがない。情報システム部門が顧客だったシステムインテグレーターはマーケティング部門へ進出しようと、いま虎視眈々と機会を窺っている。

「その時にはそぉいう人材を獲得しよう♪」 という後手対応ではもう追いつけないだろうな。そもそも年収400万で採用しようとしても来ないしw

2:そもそも 「グローバル化」 というテーマは、「デジタル化」 と表裏一体だ。デジタル化とグローバル化が表裏一体の例は、「アプリを1個開発すれば、世界中で売れるよね」 という現実を連想してもらえば早い。

“グローバル化” って一体なんなんだと考えると

“デジタル技術によって世界中の連動がリアルタイムになること”

という事な気がするもんな。

3:これまで日本の広告代理店のビジネス領域はGDP世界3位、1億2千万人の人口を有する日本市場で十分だった。成長戦略といえばアジア進出に留まり 「ネットワークサービス」 と呼び名を変えただけの 「手売り」 の外販で、アジア各国へ進出する日本の広告主を追いかけるのみ。

“手売りで汗かいてるから労働疲弊履歴になる” からなw 得意先のメリットではなくて “てめぇの組織内昇進” のプライオリティーが高いからだろう。まだ中途半端に売上等にも紐付くが、今後特に紐付かなくなると思うw

4:日本の広告主は広告代理店の選択肢が少なすぎるだけに、日本初 「Dentsu」 のデジタル化、グローバル化は 「乗るか、降りるか」 を迫られる局面が増大するだろう。

その動きにメディア側も同調し、博報堂以下すべての広告代理店は、ますます差別化が難しくなる。それとは別に防衛的な動きとして広告主側が自社内で広告代理店機能を持つ取り組みも加速する。一方、テクノロジーを主体とするアドテクノロジー企業は軽く国境を超えて日本進出の機会を窺っている。

ほんと、電通でもなく博報堂でもないAZZLOが在籍する組織は何を持って前年比100%超えを達成するんだろうな。AZZLOが知る限り全く材料が無いのだが。

5:ビジネス環境が変わる中で、「この仕事はどうやって儲けるのか」 をプランニングする能力が必要だ。これからは 「コミュニケーションクリエイティブ」 もさることながら、「ビジネスクリエイティブ」 の能力が重要なのだ。広告代理店で培われたクリエイティビティは、ビジネスモデル開発に向かう必要がある。

むちゃくちゃそう思う。

広告代理店に在籍する人が “いいなり奴隷” ではなく “有能な人” であるならば、”汗かいてなんぼの媒体問屋” に活用するのはもったいないと思うしな。

あらゆる企業の商品・マネタイズモデルを知る機会、要は “ビジネスモデル” の知見があったりするので、そぉいうのに向いている可能性は高いハズだと思う。

AZZLOは既に、媒体問屋モデルではなく、新サービス開発とか企業に提案していたし。

6:広告・マーケティングに関わる人材であれば、必然的にビッグデータやデータマーケティングの大きなうねりに無関係ではいられないし、うかうかしていると広告代理店ではないプレイヤーに仕事を取られる可能性がある。

これ、AZZLOは入社2年目の2009年から言ってる。

7:広告代理店は、いったん自社の事業ドメインの再確認と再設定をしてみるべきだろう。総合力や資本力のない広告代理店は、特化すべき領域や撤退すべきラインを遅くとも今年中には戦略策定を実行していくべきだ。もうギリギリのラインかもしれない。時間は待ってくれないのだ。

これを “重視クライアント選定” ではないレベルでやんないとダメだよなw それであっても、他のクライアント担当をどう活用・解雇するのかも当然踏まえないといけないw

8:広告主とお天気と株価の話しかできない営業・経営幹部のほとんどは絶滅する。まともな広告主であれば、「彼らは連れてくるな」 と既に言っているはずだ。

あぁ・・・言われた偉いおっさん居たなぁw そして本人は知らないままという・・・。

9:従来は広告主側の知識が乏しい状態だったので、なんとかなっていた現実もあったが、広告主担当者の専門化によって、そういった傾向が続くことはこれからなくなる。特に施策の結果が管理画面上でわかるデジタル領域においては、フロントに立つ人材が広告主とのコミュニケーションにおいて、その場で回答できないということはありえない。つまり、広告主のフラストレーションの源泉となる。「スタッフに確認します」 は、もう通用しないのだ。

“その場で回答出来なさそうな事は、そもそも提案しない” → “オリエン無視になるのでプレで勝てない” という沼にハマってるよなぁ。まだ “たまにはプレで勝つ” 事もあるので、自覚症状が薄いが。

10:CM職人は制作プロダクションに所属すればよいのだ。広告代理店のクリエイターは、コアとなるアイデアを広告のクリエイティブだけでなく、情報のクリエイティブやブランデッドコンテンツ、そしてサービス開発にまで展開する力が必要である。

“まずはコピーとタレントキャスティングから” な労働お作法依存では、「なんでお前総合広告代理店に居んの?」 だもんな。

もろもろWEBや “プロモーションメディア” 方面の業務は、広告代理店内にあるにしても “制作部” で良いんじゃないかと思うw

11:広告主も、15秒、30秒のCM企画のアイデアレベルで企画を選定するのではなく、コミュニケーション・プランニングを設計できるクリエイターをパートナーにすることが求められる。

“広告主” という言葉が既に本質とズレがあると思うよな。本質的に言うと “モテたい人たち” だと思うw モテるとは相手から来てくれる訳で、何もしなくてイイ思いが出来た方がいいだろう。

戦略って “戦いを省略する” という事でもある訳で、”頑張らないのに得をする仕組み” を最初に頑張って作った方が良いと思うw

12:いまのままでよいのであれば、生き残りは難しいだろう。特に若手のプランナーは、先輩諸氏が確立している実績や技術に対して意見することに躊躇しているとしても、自分は変わる努力をしておかないといけない。

他の業界を見回してみても、現状では広告キャンペーンの実施能力において広告代理店の右に出る業界はないだろう。担い手が他にいない以上、業界がなくなることはない。しかし問題はその付加価値のつけ方である。

この先広告代理店は、ハイエンドなコンサルティング能力とそれを反映させたオペレーションサポートがきっちりできないと、特定のポジションを維持することは難しい。オペレーションはただの労働代行に過ぎないので、ハイエンドなコンサルティングスキルがないと、付加価値が低くなるという結論となる。そういう時代に中途半端なプランナーはまったくお呼びでない。

ハイエンドなコンサルティングができる知見・スキルは個人に帰属する。広告代理店としての総合力が発揮できるのは、旧来のビジネスモデル内だけだ。

www。

“代理店もコンサルティング♪”

という切り口はAZZLOが入社する前から感じていた事だが、入ってみて思うが

“ビクビクしている言いなり処理班が、対等・時には上から的になりやすい助言みたいな事は出来る訳がない”

とうのが現実・・・。ビジネスドメインとしては近いんだけども、既存社員の基質が真逆なんだよなw

13:最後に三つ目はクライアント企業が課題も具体的な解決手段もわかっているが、自分で実行するのが面倒なので外部へ依頼する仕事だ。当然、三つ目が価格競争にさらされ、一番付加価値が低い仕事となる。

広告代理店にとっての最大の危機は、三番目の仕事しかなくなり、とてもいまの給与水準を保つことができず付加価値の低い企業になってしまうことである。広告代理店、特に社内にハイエンドなコンサルティングスキルを持った人材がいない広告代理店は次のような事態によって、自社の付加価値が極めて低くなるだろう。

・マーケティングの通貨がユーザーデータに置き換わる。
・データ取引において、いまの広告代理店業態では役に立たない。
・この現状にいまの経営者が理解不足であるため、後手にまわり対応できない。
・さまざまな広告配信管理プラットフォームの登場に対応できず、実行領域の仕事の発注もなくなる。

「ウチは電博じゃない!面白い事なんか出来ないし、広告主から言われた事に応えるしか道はないんだ!!!」

みたいな事を言う人が居るが、”コモディティー業務に依存” という事だしな。

そぉいう四半期決算に依存する人こそ、まず最初にペッパー君に職を奪われるハズw

「◯月のヤフーブラパネは、現在◯社が検討をしていて、在庫状況は◯%です。競合は1社が既に発注になっており2社が仮押さえとなっています。あ!今3社になりました。よって現状の御社におけるヤフーブラパネ実施効率は、◯ポイントとなり、年平均よりも下がる事が想定されます。あ!今発注している2社のうち1社の商品カテゴリーが変更されましたので、◯ポイントとなります。よって年平均よりも上がる事が想定されますので、只今現在としてはヤフーブラパネは効率が良いメニューとなります」

ペッパー君ならこんな事が出来る。

14:非常に残念だが、いまの日本の広告代理店の経営陣のほとんどが、デジタルマーケティングおよびマーケティング領域へのテクノロジー活用法を理解しているとは言い難い。いまの経営者たちの年齢からすると、現場でやっていたことは従来型の広告ビジネスでの成功体験だけなので、「経験していないのでわからない」 のに 「わかった気になっている」 危ない世代と言える。デジタルマーケティングも既に15年以上の歴史がある。まったく経験のない人材がいまから勉強して本当の意味でキャッチアップできる時期はもう7~8年前にとっくに終わっているのだ。

おそらくAZZLOがじじいの頃には、キータイプというのが無くなっていて、”妄想が活字化・視覚化される” 装置があると思う。その頃にAZZLOはまだキータイプをやっていて、若手から 「あのじいさんカタカタ煩ぇな」 と言われるだろう。経験と吸収力の相反する部分はAZZLOにも起きる事だ。

故に “じじいは出来なくて良いから、必要性は理解した上で環境を整える” べきだと思うな。その前に “気付くスキル” が必要だけども。

今で言えば高度成長期もろもろで、もの凄い変化を体験してきているのが60代だろう。今後も当時と同等の変化がある可能性がある事をむしろ知っているハズだ。

人類はバブルがゴールではなかったのだw

15:偉大な営業マンであることが社長の条件とは必ずしも言えない。社長の資質は別なところにある。順繰りで社長になるという従来の慣習を踏襲しているようでは、求められる変革の実行が可能なリーダーを生むことはできない。

“偉大な営業マン” って “重度の言いなり奴隷” の場合もあるからなw

16:スター経営者となる人材がいない会社は、外部から招聘すればよい。日本でも大企業が経営トップを外部から招聘するようになってきた。スター経営者を招聘できないのは、株主の無作為である。新たな時代はやはり一人のリーダーが作るのだ。

コレだし

「日本の組織では勝てないような土俵で、世界全体で見るとパイが生み出されている」ニッポンのジレンマ 2015 03 01

「日本の組織では勝てないような土俵で、世界全体で見るとパイが生み出されている」ニッポンのジレンマ 2015 03 01

Posted by Taka-aki Motoi on 2015年3月21日

「やはりプロの経営者でないと、もう太刀打ちが出来ない」新報道2001 2015 03 29

「やはりプロの経営者でないと、もう太刀打ちが出来ない」新報道2001 2015 03 29

Posted by Taka-aki Motoi on 2015年3月31日


だよな。

そして、重要なのは “今の組織を優秀な経営者が引き取ってくれるかどうか? (改善出来るベースがあるか?)” というのも起きるだろうなw

17:では、次世代型の広告代理店のリーダーに必要な資質を列挙してみよう。

① マーケティングとコミュニケーションの本質を語ることができる。
② マーケティング全体の中に、デジタルを包括しデジタルによって得られる 「気づき」 をマーケティング施策全体に反映させる構想力をプレゼンできる。
③ 従来のクリエイティブをデジタルマーケティング / データマーケティングによってどう改革発展させられるかを説明できる。
④ 次世代型の広告代理店に必要な新たなスキル、またその育成方法について語ることができる。
⑤ ビジネスロジックを十分理解し、マーケティング側からテクノロジーを評価することができる。
「こんな人材いるわけないだろう」 という超えが聞こえてきそうだが、ビジネスモデル、提供サービスの質、そのスキルを変革するリーダーというのは、このくらいでなければだめだ。その認識をすべての広告代理店のステークホルダーに持ってもらわなければならない。

居ないなw そしてAZZLOも全部は無理だなw

① マーケティングは大枠では経済学と言えそうだし、コミュニケーションは “おしゃべりのネタ” だし、そのブリッジが “より良いセックスの可能性” の臭いと言える。

② ビッグデータが、まだ “デモグラの精度高い版” という状況かもしれないが、今後は間違いなくリアルタイムが加速するし、そのリアルタイムはその人の周辺も巻き込んだ想定が出来る。

※テロ予測等もある程度予測出来るようになってきている。

リタゲのような “もう買ったのにまだ出てくる広告” なんかではなく、”情報だけ” もより精度高くタッチポイントを創出出来るし、”潜在ニーズの顕在化” によって、”必要な時に必要な関係” を築く事が可能になる。

③ “制作” すらもリアルタイム生成・自動化が可能になり、”スケベな人にはエロいワード・巨乳タレントで” といういわゆるone to oneマーケティングが行われる。

なんならタレントのクローンがその人の家に住み、商品訴求・”買うと良い事してくれる” という事すらも出来る。

例:そろそろ走りだす新型山の手線車両は、全てモニターによる広告展開なので “朝はモーニングショットで夜はスーパードライを表示する” という事は朝飯前に出来る。今後CMも個人それぞれで流れるCMが変わる。

④ “マーケティング” という軸では人は要らなくなる。遅くて精度悪い。少なくてもメディアプランニングは ミラートレーダー と同様のシステムが出来る。

そのシステム開発力が直近の必要なスキルと言える。根本的には自動化含めもろもろ可能性に気付ける “多面的検証” の情報力ではなく教養が必要。

育成方法は、少なくても既存高学歴者採用に疑いを持ち、ISAKしかり、海外放浪しかり、俯瞰して見る経験が必要。よって既存入社組をどうこうではなく、児童の時点からの教育が課題と言える。(長い・・・w)

既存社員に関しては、他社への出向・出向受け入れ “俺シェア” を導入するべき。今後のビジネスは1社の知見だけでは成り立たない。

⑤ “知られさえすれば売れるハズマーケティングロジック” の “問屋マネタイズモデル” を継続する場合も、本質的な “販促支援” に伴うもろもろというロジックでも、”根拠はデータ” となるので、ビッグデータ的な事しかあり得ない。



“銀行・商社・電博に落ちた資本主義の落ちこぼれ集団” の安堵感を得るために会社を使わせるのではダメだと思う。

広告代理店に限らないが、ビジネスする上では “常識が通じない経験” をしているか否かが重要な気がするな。

今後、自動出稿システムが出来たら、媒体社側も楽になる。もろもろ調整して、現状の3割減の価格で、高精度なメディアプランが出せたら、得意先は当然利用するだろうからな。
「それじゃぁオレら要らなくなる」 という危機感に繋がるが、”手出さない限りオレらは必要とされる” 訳ではないんだよな。

18:何より重要なのが求められるリーダー像を設定し、社内外から探し出す行動を起こすことである。いままでの延長線で社長候補を選んでいては、いつまでも変わらない。次世代型に変われないということは、すなわち会社の死を意味する。

「あいつを社長にすると、あの派閥が反発するし、あの領域が弱くなる・・・」 とか、どこの企業でもやってるが、犬が自らのじっぽを追いかける的事象だと思う。

もちろん社内からの選出でも良い訳だが、”ゴマすり” が無い社外からの起用の方がメリットが大きい場合が大半だと思う。・・・逆に強まるかもしれないがw

19:広告主の判断基準は 「どこに頼むか」 ではなく 「誰に頼むか」 になっている。いままでにない知見を求めているため、こういった傾向はこれからも進む 「誰に」 があなたの会社の社長になれば、自分にとって最も心強い存在となるはずだ。社員、役員、株主、また取引先も含めて広告代理店のトップが持つ資質と知見を、厳しく要求するようにならなければいけない。

中国共産党と同様な事象によって

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まぁ、自然沙汰されるだろうな。ほんとに終わっちゃうからな。

AZZLOが所属する組織でも社長は年収1億円。役員は3000万~5000万円ぐらいで良いと思うんだよな。その分儲かる組織に出来れば大した金額ではない。

20:常に 「A」 つまり 「認知」 からしかはじまらないのだろううか。~中略~

「購買ファネルのどこに投資をすれば最も売れるのか」。それを立案・実行することがマーケティングの真骨頂と言える。その商品のライフステージ、購買サイクル、流通環境によっては、まずは消費者への認知を増やし、そこから購入意向者を増やし・・・という試みが的を得た施策でない場合も多い。

既存顧客の維持・拡大、習慣的な購買の促進、購買者のクチコミによる新たな購買者層の獲得など、BUYからはじまるファネルを設計することでできることも非常に多い。そのため広告を活用し、まず認知させることからスタートするステレオタイプなマーケティング手法にこだわっている広告代理店では、そもそもパートナーとしての役割が果たせない場合も多いのだ。

穿った見方をすれば、Aからはじまる購買ファネルを広告代理店が提唱するのは、広告主を 「罠」 にかけるためだったのかもしれない。なぜなら、「広告を買わせること」 が広告代理店の収益の源泉となっているからだ。

この本を読んだ広告代理店の方々が 「うふっ♪バレちゃったわねwww」 とならず涙目になっているのは、

“得意先に悪気はないのだが、労働お作法疲弊獲得を優先していたボク・・・”

という事なんだろうな。全く頭使ってない証拠だよな。

21:広告、マーケティング領域においてはコミュニケーションの対象者であるオーディエンスデータを整備することが喫緊の課題である。しかし、広告代理店がこのオーディエンスデータ保有にどうコミットしていけるか、甚だ疑問だ。

いわゆるユーザーの購買・行動履歴データを指すオーディエンスデータはグーグルやアマゾンをはじめ多くの有力ウェブサイトが保有している。また、広告主も顧客データベースや会員データ、ウェブサイトへの訪問者というオーディエンスデータを保有する。そのほかにもポイントカード、クレジットカードや外部のデータ配給会社も存在する。
ところが、広告代理店はオーディエンスデータを保有する立場にないのだ。これは致命傷である。

これもAZZLOは以前から言ってる。まだマシな状況だとしても、各企業が参加する “電通系のデータネットワーク OR 博報堂系のデータネットワーク” を元にしたマーケティングデータしか信用されない事態になると思う。

そのデータネットワークが無い場合は、他社から購入しなければならない。すなわち経費が上がる。

得意先からは 「え!?媒体に纏わる事はおまけでしょ?なんで高くなるのよ!!!」 と言われるから値上げ出来ないwww

まだ商品を持てる (データネットワークが売ってくれる) にしても、経費が掛かり過ぎで、どう転んでも今の人件費では回せないし、商品が無い状態が想定される。

22:メディアが保有するオーディエンスデータと広告主が保有するオーディエンスデータの流通の仲介役を担えばよいと思うが、問題は 「仲介する 『意味』 や 『価値』 があるのか」 という点である。

データ流通ないし、交換 (エクスチェンジ) に何らか関わるのであれば、自前でオリジナルなオーディエンスデータを保有しないといけない。独自のデータを持ち広告主ないしメディアの持つデータとマージすることで価値あるデータにすることができなければ関わる意味がないのだ。

「分析力」 を企業へ提案したいのであれば、オリジナルなオーディエンスデータを保有しない状況では極めて難しい。拠りどころがないのに価値を提供することはできない。

・・・まず “データエクスチェンジ” という言葉が誤解を生みやすいと思う。交換だと、こっちにあったものをあげてしまうからな。
そして必要な事は

“複数社のデータを組み合わせた上で発見する串”

これがマーケティングになると思う。

23:データ保有の主導権争いは、既にもう何年も前からはじまっている。しかし日本の広告代理店はいかにもこの動きに疎いし、このことを理解している経営幹部も少ないだろう。

普通に楽天とか利用してれば、この動きには気付くもんだと思うけどな。

「オレら要らなくなっちゃう」

は、逆に言うと 「オレら楽出来る♪」 でもあるんだけどな。

“言いなり奴隷は奴隷らしく疲弊していたい症候群”

という事なんだろうかな。今後は疲弊を超えた領域に入ってしまうのだが・・・w

24:企業自身が保有するファーストパーティデータとメディアが保有するオーディエンスデータ、いわゆるセカンドパーティーデータの交換やマージが先に進むことになるだろう。

メディア側は大きな広告予算を持つ大手広告主との交換を優先し、その広告主向けの効果的な広告商材の開発へのチャレンジが求められるだろう。その際まずデータ分析を行い、オーディエンスデータの有効なクラスター化 (同じ趣味趣向を持つ集団へわけること) ができるかどうかを試したい。この作業に広告代理店が介在することもあるだろうが、オーディエンスデータを保有していない広告代理店がどこまで存在意義を示せるかは疑問である。

おいおいCCCや楽天から “媒体は代理店にやらせとけ” という、今までとは逆の導線になるだろう。そしてそれも途中経過であって、おいおいより精度の高いシステムを楽天とかは自社で持つだろう。そしたら声もかけてもらえないだろうwww

25:企業の自社保有データの分析は、プライベート型のデマンドサイドプラットフォームを構築し、自社で分析、運用するようになる。マーケティングの根幹とも言えるこうした作業を広告代理店に依頼するようではいけない。

でも、他社のデータとも比較しないとあんま意味ないんで、どっかで他社との接点は生まれるよな。

その各社の接点をケアしやすいのは、既存の代理店だと思う。要は “データお預かり・検証代理店” にならないと食えないし、それが出来やすいのは既存広告代理店と言える。
それをやらないと、ほんとにCCCや楽天に、広告主の相談プライオリティー上位を奪われるだろう。

26:テレビ視聴系データは、テレビ広告に多額の予算を割く広告主はもちろん、テレビ局にとっても喉から手が出るほど欲しい情報だ。なぜならオーディエンスデータを利用すれば番組のマーケティングができるからだ。

この領域であれば大手広告代理店に大きなアドバンテージがある。もっともこの領域まで他のプレイヤーに取られるようでは話にならない。いまの広告代理店の立ち位置からだと、この領域つまり消費者のメディア接触データをもとにオーディエンスデータのプランニングが行えるという点は大きな優位性と言える。

テレビ視聴データが、600台程度対象の視聴率程度のテキトーなデータしかないから、おそらくマーケティングにおいてテレビが対象から外れるという事すらあり得るな。

“根拠がないテレビは、残念ながら外さざるをえない”

という、決断が徐々に常識になる可能性は十分あるw

“コンテンツ力はあっても根拠がないから広告が売れない。よってネットコンテンツに制作予算を移そう”

という判断がテレビ局側もいつかするかもしれないな。

結局、テレビ屋でも雑誌屋でも

“胸を張ってネットインフラを使えば良い”

と思う。いずれにしてもそれぞれ土管インフラでしかなく、情報インフラとしてインタラクティブという点が、受信者側の体験ではなく、”ログ” という点からも活用出来るって事だよな。

27:視聴率という 「率」 を基準にするモデルには落とし穴がある。例えばGRPの獲得を指標とする広告主は多いと思うが、20~34歳の男女 (M1、F1) などの若年層はどんどん人口が減っている現実がある。つまり母数が減っているので、いくら率が同じでも昔より到達人数は減るはずだ。それにもかかわらずコストは変わらない。いや母数が少なくなっている分、実質ターゲット到達コストは上がっている。

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広告の “広” が、”広だけど小” となるんだよなw

そして、仮に “広で大” だったとしても、購買までの効率が悪い訳であって、いわゆる1to1的な事が出来るデータ活用は両輪で普及するハズ。

28:プロとしての矜持がある故にコンテンツをマーケティングするという文化はこれまでなかった。もちろん 「受け手の期待以上の情報発信をするから意味がある」 という考え方は否定しない。しかし、質の高いユーザーをより多く獲得するために、どんなコンテンツを作ればよいのかを科学的に分析するメディアが今後どんどん登場するだろう。そして、広告収入がビジネスモデルであれば、広告主が欲しがるオーディエンスを獲得するようなコンテンツのマーケティングも必要となる。

コレだな。

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そして接触が発生する際のタイミングの精度があがるよな。

“失恋中はこの曲!” “片思い中はこの曲!” “腹減ってる人にはこの情報!” “セックスした直後にはこの情報!” みたいな事だと思う。

29:「デジタル領域はネット広告代理店」 「マス広告は総合広告代理店」 という形で別々の領域として機能させる広告主は多い。

「デジタルに強い」 「マスに強い」 という話は既に論外で、マスとデジタルを連携した施策を企画運用できるかが鍵である。

結局まだ “納品物区切り” なんだよなw 担当も部署もそう。

30:オンライン・ツー・オフラインも 「オンラインからオフラインへ」 だけでなく、オフラインの顧客を顧客データベースというデータマーケティングの対象にできるように仕掛ける 「オフラインからオンラインへ」 という視点も必要となる。

いわゆるO2Oの事だが、オンラインからオフラインは普通のWEBプロモーションをバズワードにしてるだけだよな。

バズワードになっているからには何か新しい概念なんだと思っていたので、AZZLOは最初から 「オフラインからオンラインへ」 で考えていた。某商業施設のO2O施策で企画したけど、逆だったみたいだったな・・・・w

クラウドユートピアも、「オフラインからオンラインへ」 だな。

31:広告主が自社内でやらなければならないことがいくつかある。コンサルティング企業に支援を依頼する手もあるが、外部に任せるのではなく広告主が自分で行わなければいけないことだ。それは簡単に説明すると次のようなことだ。ポイントは広告代理店に任せることと、自社でやるべきことを明確にわけることにある。

・広告キャンペーンの評価は自社で行う (第三者配信サーバーの導入運用・分析、投資対効果の分析と予算配分のプランニングは、外部のコンサルティング企業を活用する)。

・運用型広告はブランド横断での管理を基本とし自社内運用 (メディアからの直接購入、コンサルティングと運用は外注) もしくは自社専属の広告代理店 (ハウスエージェンシー) に担わせる。

・データマネジメントプラットフォーム (DMP) は、企業が自らテクノロジー会社と直接契約し自社内で運用する。

ROIの提示とかを施策に求める企業とかも居るが、広告代理店もある程度は出せるデータと計算式はあるハズだが、そもそもおかしな依頼だしな。

そして、そんぐらい広告主がやってくれないと、今の媒体マージンでは広告代理店は潰れるw

人件費にもならない運営費では維持は出来ても次の提案出来ないからな。

32:少なくともその評価は外部のコンサルティング企業を入れよう。評価を施策の実施当事者である広告代理店に任せることは、サッカーで例えるならプレイヤーに笛を吹かせるようなものだ。

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「明らかに失敗なんだけども、『成功した』 という報告資料にしたよw」

とかあるもんなぁ・・・w

33:広告配信はブランド横断で運用・管理されることでコスト削減や効率化につながる。よってブランドごとの提案で広告代理店を競争させつつ、横断的な施策は自社ないし自社専属の広告代理店によって管理するのが適当である。データマネジメントプラットフォームの活用は、広告代理店に任せてしまうような代物ではないのだ。

まぁ本来そうなんだけども、広告主内でもデータ活用は難しいから、そこが既存代理店のチャンスだと思う。

34:アドテクノロジー企業は広告代理店との取引を飛び越え、広告主側との 「直接取引」 を伸ばし、ベンチャーキャピタルの要望を満たす売上成長を追いかけ続ける。

これもトラディショナル代理店が蚊帳の外になる要素だよな。

35:オムニコムの社長は62歳、ピュブリシスの社長は72歳だ。グローバルのホールディング会社とはいえ、テクノロジー系のスタートアップ企業の経営者から見れば立派な 「年長組 (爺さん)」 だ。余談だがWPPのマーティン・ソレル社長も69歳。このパワフルな年長組には恐れ入る。

それでも彼らはデジタル化、グローバル化のトレンドを嗅ぎつけ、その本質をしっかりと自分の言葉で語れる。先を見据え学び、さらに行動もできる人物であることが一連の吸収合併劇から垣間見える。日本の広告代理店経営者にデジタル化、グローバル化の本質を語れ変革の意味を理解し行動できる人物が何名いるだろうか。

60代以上が 「オレもまだまだイケる♪」 という材料に使われそうだなw

根本としては優秀な人は何歳でも優秀だし、そうでない人は中途半端な知見によってむしろ老害になるだけだと思う。

そして、広告、デジタル云々に限らず、多くの経営者が表層的な事しか言ってない様な気がする。結局行動に繋がる見解がなく、「なんとなく減点は喰らわない “今やってます表明”」 ばかりな気がするんだよなw そら従業員あがりの社長であればそんなもんかもしれないが。

36:社長にふさわしい人物とは、やはりそのマーケットを熟知する人材であり、有能なスタッフを束ねられるキャパシティーがある人物だ。何も電通だからといって日本人である必要はない。もっと露骨に言えばアジア的、日本的なカルチャーのゴリ押しで欧米のビジネスマンたちをマネジメントするのは不可能に近い。

電通の偉い人には外人さんが居るし、役員報酬が3億円以上だしな。

37:サイロ同士のシナジーは超大手広告主案件以外では滅多になく、広告主の獲得は基本的には単独サイロで動く。そして損益分岐はサイロごとに別計上するのがホールディング会社の経営である。

サイロとは “グループ内個々の会社” という事として使っている言葉になるが、AZZLOが居る組織では “グループ会社を活用しなければならない” という名の元、不必要な稼働が増えて、スピード、提案力、金の話もろもろ無駄な事ばかりな気がするな。

AZZLOの本籍である子会社は、昔は “ミニ代理店” という感じで、非常に利益を産んでいたらしいが、制作会社として本社の人と絡まなければならなくなってから、儲からない体質になった模様だし・・・w

38:「あらゆる領域に強い総合広告代理店」 という言い回しは、いまや 「立ち位置が決まっていない」 と同義語だ。

“どれが一番儲かるか・強みを活かせるか” ってのを整理出来てない事を、綺麗に言い訳してるだけだからなぁw

逆に儲からない事すらも手を付けていているとも言える。

39:デジタル領域で急伸する会社の特徴を見てみると 「データの保有量」 = 「売上総利益」 に比例している印象がある。データがマーケティングにおける新しい通貨だと耳にするようになった。それがそのまま代理店の稼ぎにも比例しているとなると、この波に乗り遅れてはまずい。

これもAZZLOが在籍する組織が “あえて自滅”(コント) する理由になるよな。

40:グーグルやヤフーが広告代理店的な機能を本気で提供しはじめる可能性もある。現に日本のヤフーは既にマーケティングサービスプラットフォームを発表している。既に彼らのデジタル広告取扱高は大手広告代理店の取り扱い規模を凌駕しているのだ。こういったテクノロジー企業が広告代理店的機能を持とうとする兆候は多くある。

ある。超あるw ちょいちょいその手の企業からオファー来るw

41:日本の従来型広告代理店も柔軟な発想を持てれば、いろいろな 「縁組み」 が考えられるのではないか。デジタル領域を取り組むことにはじまり、マーケティングデータを大量に保有する企業との縁組み、グローバルプラットフォームの受け入れ、PR・ソーシャルメディア系企業の吸収、あるいは逆に魅力あるテクノロジー企業の傘下に入ることだってできる。日本の広告代理店は 「未来へ向けて動いている状態」 から程遠く、残念ながら 「現状に甘んじている状態」 なのは否めない

デモグラ・依存・既存労働慣習に依存を強めて

「オレの人生間違ってなかったんだもん!!!」

という自尊心の担保やってるだけだからなぁ・・・w

「中途採用年収400万で人が来ない・・・」

と嘆く時点で、世の中と感覚がズレてるからな。

おいおい仲間に入れてくれる会社もなくなるし、M&A言うてもその資金力も無くなってるだろうしなw (というかもう無いらしいw)

42:日本では 「原価に (定率) 利益を乗せて売上とする」 課金方法しか知らない営業マンも多い。この手法 (あるいはマインドセット) の欠点は、営業マン一人ひとりが経営の重要指標である 「営業利益」 に責任を持てていない点だ。自分がいくらの儲けを生み出しているのか不透明なまま一生懸命残業している。 広告マンに変化が見られないのも提供している商品が旧来の 「広告枠販売」 の延長線であるからだろう。

金銭感覚がなんかおかしいんだよな。経費という概念を営業が持ってない傾向が強い。飲み代とかそぉいう経費ではなく、ショバ代やらテメェらのギャラやらもろもろだ。

“金銭的儲け” という本質が無いからこそ、”労働疲弊履歴に夢中” という事になるんだろうな。

43:「ベンチがアホだから野球ができない」 とぼやいた野球選手がいたが、まじめに聞いてほしい。現在の経営陣では難しいという状況であれば、現在の30代から40代の人材こそが率先して 「自分ごと」 として動いてほしいのだ。前出のグローバル起業の社長たちも30代半ばから40代半ばでグローバル起業の社長となっている。デジタル、グローバルの感覚がなければ起業経営が務まらない時代なのだ。

その意味で若手、中堅の人材はこれらの事態を 「自分ごと」 としてとらえることが第一歩だ。

「自分ごと」 としてとらえるタイプから退社してるなw

44:海外事業に求める考え方を 「取扱高」 を基準にするのではなく、グローバルの多様性を受け入れる (育む・なじむ) ことに基準を置く時代に入ったのだ。 ~中略~

日本の広告主の取扱高を増やす発想で作った拠点はその手のグローバル広告代理店との協業の発想がない。よって 「自前で細々と取引先を広げる」 という悪循環に陥り、細い取引先を手放さい拠点が残存してしまう。

“媒体問屋” という自覚の上だからこそ起きる事とも言えそうだな。

そして、サントリーしかり、今後は国内のトラディショナル広告主が、いわゆるグローバル企業になる例は増えるだろう。その時に “多様性” を持っていないと、ホントに “安さしか売りにならない作業屋” になるな。

45:ポイントは 「すぐ儲かりそうなら開店しよう」 という基準ではなく、「その地域のチーム・会社が魅力的なら投資しよう」 という発想へ転換することだ。育てるものは 「自分 (本社) の取引」 ではなく、「現地のパートナー」 なのだ。

“すぐ儲かる事はすぐ儲からなくなる” っていうのは常識だしな。そぉいうの探し続ける方が長期的には面倒臭いし疲弊履歴は獲得出来れど、成長はないと思うんだよな。

しかも 「すぐ儲かりそう!」 という想定が出来ればまだマシで、「今儲かっているらしい」 というのに後発で飛びつくからコモディティー化に苦しむという、当たり前体操が好き過ぎる傾向があるよなw

46:そもそも 「暴走を抑える。手綱を引く」 とうい意識は、最初から 「危ない」 「管理する」 という視点を持っているから生まれる。

www。信用出来ない人を入れてる時点で採用を間違えているし、もしかしたら、てめぇもそうだからこそ周辺に疑いを持つとも言えるw

47:広告代理店にとっては欲しい人材が 「流出」 している状況だ。リクルーティングシステムと報酬システムを戦略的に構築しておかなければ、テクノロジーとグローバルビジネスに精通した人材をみすみす逃す事態を招く。

そぉいう人材が居たところで、その上が 「そぉいうのはSFの世界」 という見解では何も起きない けどなw

48:広告代理店のプランナーには仮説立てとその立証までをデータマネジメントプラットフォームを駆使して分析し、データをインテリジェンス化するスキルが求められる。これまでは仮説の 「言い切り型」 だったが、今後はカスタマージャーニーデータからの 「文脈発見型」 のマーケティングが必要なのだ。

“何故ならば” の必然性だよな。

49:従来型の広告代理店のクリエイターはホームランバッターでいつもバットをぶんぶん振り回すがホームランでも三振でもどうしてそうなったのか検証しない。一方、ネット広告代理店のクリエイターはバント職人だ。バットの角度を1度づつ調整してボールの転がり方の変化を見極めることで、出塁率がどう向上するのかしか考えない。

AZZLOが居る組織ではCRが 「俺バント職人www」 と自虐するし、競合プレゼンでは “バントでアウト” みたいな事が連発しているw

全員バントが成功しても、満塁になった上で3塁手がホームでアウトを3回したら終わりなんだよな。誰か振らないとw

逆にAZZLOは “9回裏2アウトの代打” という表現をされる。業界と真逆だなw

50:コミュニケーションプランニング局という部署を作ったとして、どの部門に置くのか判断することは大変難しい。クリエイティブ部門、マーケティング部門、はたまたアカウントプランニング部門として営業のフロントラインに近いところに置いてみたり・・・。このような試行錯誤が繰り返されていたが、結局はしっくりこないのだ。

それもそのはずだ。「広告」 よりも 「コミュニケーションプランニング」 の方がはるかに大きな領域の概念だからだ。「広告枠販売」 を目的として組織が編成されている広告代理店の中にうまくハマるはずがない。

www。

そしてコミュニケーションを考えていくと、大枠として結局経済だし社会学だし心理学だと思うんだよな。”情報接点創出” だけでは何も起きないし、起きないどころか ルミネのCM みたいに炎上したりもするしな。

51:トリプルメディアという概念が登場して久しいが、昨今は 「ペイドメディアから発想するのではなく、オウンドメディア/アーンドメディアから発想してペイドメディアで補足」 という考え方も出てきた。

P→O→EからO→E→pへ

AZZLOの企画はこの図に近くて “自走式PR装置” と言ったりしている。「故に高いメディアを買わなくても済む!メディアは初速を促す役割だ」 という話をするのだが、営業が

「ダメぇ!!!それじゃぁメディア売れなくなるじゃん!!!」

だったりするw

そぉいう不誠実な提案をしてるから広告主から信頼されないし、AZZLOが在籍する組織だけが自制したところで取り残されるんだよなw

52:「テクノロジー」 こそ、いまの広告代理店にまったくないスキルであろう。ここで指す 「テクノロジー」 とはいわゆる情報システム部門が持つスキルとはまったく違う。「マーケティングを理解しているテクノロジーの専門化」 が持つスキルであり、マーケティング領域で活用される多様なテクノロジーの使い方を、広告主へ提案し導入と運用のコンサルティングができる能力をもつことだ。また自社内でテクノロジーサイドからのアプローチを試みてアイデアの創出やサポートを担う役割となる。

このスキルセットを育成するのはかなり難しい。もともと広告代理店にいない人材なので、当然外部から獲得することになるが 「広告」 や 「マーケティングコミュニケーション」 の本質を理解しているテクノロジーの専門化は現在ほとんど存在しない。

これはほんと難しいよなぁ。ま、仮に居ても必要な案件がないし営業が作れないだろうから、要らない気もするがw

53:広告代理店にとって、一番改革が求められている機能はフロントラインにあたる 「営業」 だ。これからの広告代理店のフロントラインは (あえてもう営業という言葉は使わない) 専門化を縦横無尽に使いこなす存在でなければならない。サーカスのライオン使いのイメージだろうか。~中略~

フロントラインの体制をどうするのかは、今後広告代理店が何で稼ぐのかという課題と密接に関係する。メディアの 「広告枠」 を売る役割は従来型の営業マンでよいが、広告主は必ずしもメディアの広告枠を買いたいわけではない。自社が抱えるマーケティング上の課題を解決したいのだ。

「”従来型の営業マン” を疲弊活用する為に、従来の労働・マネタイズモデルをあえて維持する」

というのがAZZLOが在籍する組織だな。

そして、”これからのフロントライン” は、いわゆる多様性・ダイバーシティーの素養がないと成り立たない。細かい専門用語や知識はそんな無くて良くて (自然と身につくし) 目的をそれぞれの言語に翻訳する・理解する教養そのものが必要だと思う。

54:そもそも営業マンは担当する企業のことを熟知していないといけないのだが、自分は最も顧客のことを理解していると、胸を張って言える営業マンはどれほどいるだろうか。

営業マンって悪く言うと “ハイエナ” とも言われるし、某プロダクションのプロデューサーさんは、AZZLOよりもAZZLOが在籍する組織の人事構成なんかを知ってたりするw

そしてAZZLOが知る限り、イケてる営業はプレゼン前に

「こんな提案を考えているんだけど、勝算ありますか?」

と事前にヒアリングして課題との紐付けの材料を仕入れてくれる。よってスタッフは迷いなく精度高い提案が出来たりする。

逆に 「今日プレゼンする担当者は、オレも知らない人なんだけど・・・w」 という営業も少なくないんだよな。ま、仕方ない時もあるけども。

いずれにしても “御用聞き” ではダメだよな。

55:営業かスタッフかという古い考え方をいったん捨て、広告主の窓口となるのは誰であるべきかをじっくり考えなおす必要がある。「自分は関係ない」 と言ってバックエンドへ逃げ込むタイプの人材は必要ない。売上、利益責任はすべてのスタッフにあるという文化を作ることで、積極性のある専門スタッフを増やし、そういった動きを評価する仕組みを構築するべきだ。ある意味、「全員営業、全員スペシャリスト」 としてフロントラインを構成していくことを実践するべきだろう。

自信のある営業は 「いいよ~AZZLOクンあとよろしくぅ~♪」 と言えるんだが、不必要なプライドが高い営業は、得意先メリットを考えず、無駄に疲弊を選択していて、その結果効率も犠牲にしていると言えるな。

ほんと、自尊心の担保とビジネスは冷静に分離して考えないといけないと思う。

※自尊心の担保をしちゃいけない訳ではない。キャバクラ等、外でやるべきだ。

56:出張してアドテックへ参加する日本人は 「テクノロジーは出揃った感があるのであまり見るものがなくなってきた」 と感想を漏らすことが多い。これは参加意識が 「講演を聴く」 という参考・勉強の方向に向いているからこその感想だ。各注目企業がブースを出展し社長が登壇して講演している理由は別のところにある。実は出展企業の狙いはアドテックに集まる参加者たちの 「リクルーティング」 や 「スカウト」 なのだ。参加者もこういった事情がわかっているので自らのプレゼンテーションスキルを磨き、ネットワーキングに奔走する。「テクノロジーのお勉強」 をしている時代はとっくに終わっているのだ。

なるほどな。そもそも情報はネットで見れるしな。

そしてアドテック東京はAZZLOは最初の3年ぐらいは行った。初回は博報堂の堀氏のプレゼンに感化されたが、2回目以降は内容つまらない し、転職した人たちとの同窓会みたいなもんだったな。

57:「学ぶとよいことが目の前に沢山あるのに、それに気づいて行動を起こしている人はごくわずか」 (ジョー・ザワツキー)

AZZLOが言う事に共感する人は多いのだが、「いやいや・・・でも怖いし・・・w」 というオチばかりなんだよなぁ・・・w

放置した上でのオチは明確であって、そのオチが一番怖いと思うんだけどなぁ・・・。

58:デジタル・アドバタイジングにおけるデータスキルは、既にマーケティング全体から見て 「誰でもできる」 付加価値の低いスキルになっているのだ。上流のスキルはオウンドメディア、アーンドメディアのデータを活かすスキルへ移っている。~中略~

従来の勘と経験のクリエイティブが通用しない時代になっている。

「アナリティクス」 というのは職種として考えられているが、実はクリエイティブ人材に最も求められているスキルなのだ。

故に “クリエイティブ基質のデータ活用出来るSTP” が最強な気がするw

しかしCRは相変わらず “しずる” という定量制の無い指標に依存しているし、STPはビッグデータが活用出来ない組織なので、アンケートに依存するしかない・・・w

59:独自のオーディエンスデータを所有しない広告代理店の存在感は極めて希薄になる恐れがある。データエクスチェンジ (交換) 市場はあくまでトレードオフが原則である。「交換の場」 に自分が所有している有用なデータを提供できてはじめて参加することができる。

メディアと広告主が直接データ交換することもテクノロジーを上手く使えば実現可能な中、広告代理店がデータマーケテイングにどう関わっていくのかは、まさに経営課題となるだろう。ただ、まずはそういう状況になっていることを認識できなければ何もはじまらない。~中略~

いまのままではグーグル、アマゾン、ヤフーなどに主導権を奪われるのは必至である。

あ、これ

これと同内容だw

60:そもそも広告の役割とは読んで字のごとく 「広く告げる」 ことであり、それは 「いま興味関心のないユーザーに商品への関心を高めること」 と言える。

いま興味関心のないユーザーへ自社の商品を知ってもらいたければ、性別、年齢、移住地などの属性データにもとづいた広告配信だけではなく、価値観、趣味嗜好など心理面におけるマーケティング、つまり 「関心にもとづくマーケティング」 を実施する必要性がある。

そしてリアルタイム性だよな。

61:ストーカーのようにしつこいリターゲティング広告を見ていると表面上の数字では見えないが、ブランド毀損につながっているケースもあるだろうと思う。短期的には顧客獲得に成功しているが、中長期では顧客を逃しているとも言えるだろう。

「それもう買ったし!!!」 ってのあるよなw

62:これからの10年で広告業界に起こる構造変化を予測してみよう。筆者が考える既存プレイヤーの衰退と拡張、新規参入組のタイプを整理した。

① 電通イージス・ネットワークのさらなるグローバル化
② 電博以外の総合広告代理店の衰退
③ デジタルエキスパートの台頭
④ IT、コンサルティング系企業の異業種参入
⑤ ネット広告代理店という業態からの脱皮
⑥ 黒船たちが再進出
⑦ 新たな仕組みのハウスエージェンシー

Ohh・・・w 2番露骨に言われとるw

63:日本企業がグローバルマーケティングを推進すればするほど、日本企業の予算を日本の外から電通が獲得するという事態が増える。

日本企業のグローバルマーケティングの主導権を、グローバルエージェンシーの海外拠点が持つということも十分考えられる。「日本のやり方ではグローバル展開が厳しいので、米国◯◯のマーケティング手法を使ってグローバル展開を図ろう」。こんな話が出てくることもありえる。こうした展開が現実化すれば日本だけでコツコツとマーケティングをやっていても、太刀打ちできない状況になることは明白だ。~中略~

デジタル領域でも電通と博報堂はそれ以外の総合広告代理店に圧倒的な差をつける。もはや追いつくことはできないようにも感じる。そうなると電博以外の総合広告代理店は、従来の総合広告代理店という看板をあえてはずし違う土俵で戦う戦略をとるか、営業のワンストップ体制を見直すか、戦略、体制の見直しが必要となるだろう。

あぁ・・・。その導線もあるか・・・。より致命的だなw

64:現在起こっているパラダイムシフトは、外資系広告代理店にとって再進出の最大のチャンスである。日本独特の市場は外資系広告代理店にとって大きな障害となっていて、特にマスメディアの広告枠購入には手が出せない状況が続いている。

しかし、「枠もの手売り」 モデルから、デマンドサイドプラットフォームを活用しオーディエンスデータにもとづいた広告配信という新たなな仕組みの登場を機に、彼らは再参入を図ってくるだろう。成長性が低いとはいえ世界全体を見渡せば日本市場はまだまだ圧倒的な存在感を持つ。

狩られるな・・・w 既に海外で実績のある新しい仕組みを日本の代理店に飽々している広告主は飛びつくだろうしなぁ。

65:おそらく呼び名は 「ハウスエージェンシー (一広告主専属の広告代理店)」 とはならないかもしれないが、大企業のデータを事業横断で扱いプライベートデータマネジメントプラットフォームを運用しつつ、プライベートデマンドサイドプラットフォームも運用する担い手を、企業自身が機能分社化によって設立する動きが出てくるだろう。既存でハウスエージェンシーを持つのなら、そこが担うことが望ましいだろうが残念ながらスキルがない。

そこにシステム会社がコンサル要素も含めて入っていくんだろうなぁ。

66:「その他の広告代理店」 がどんどんシェアを減らしていく最大の要因は、彼らの主たる広告主である中小広告主がオンラインで直接広告枠の買い付けをはじめるようになるからだ。また大手広告主の広告コミュニケーション活動がインハウス化していく傾向が強くなり 「その他の広告代理店」 が入り込めなくなる。

広告主のこうした動きに合わせたコンサルティングや人材配給ができる広告代理店は新たな収益モデルを確立できるが、そういったケーパビリティのない 「その他の広告代理店」 は残念ながら消えていくほかない。

10年後の各プレイヤーごとのシェア推移予想イメージ図

「全体では伸びてる♪ 故にチャンスは有る!!!」 的に捉える人が居そうだがw おそらく海外上積み分だろうw

67:新しい技術や手法にしても、いち早く勉強して提案するのは悪いことではありませんが、それが本当に担当企業に必要なのか、という視点が欠けていることが多いと思います。それでは施策が単発になってしまい、広告主の立場に立ってマーケティングの戦略パートナーとしてお手伝いをしていくことはできませんよね。(真野英明)

“取り急ぎARアプリ” とかそんな感じだよなw

まぁ特にWEBというかデジタル領域というか、技術オリエンテッドに旨味もあるんだが、”猫騙し提案” 的になりがちとも言えるんだよなw “飛び道具だから実施必然性がない” とかにもなるwww

“新しい事に取り組む姿勢によって、企業ブランディングを促進させる”

みたいな目的が整理されていれば良いのだが、中途半端な出オチ施策は、出る前にオチが見えてると言えるw

68:これからは、広告主がマーケティングデータを戦略パートナーの広告代理店には開示していく必要があると思います。マーケティングデータを開示しない中でのコンペ形式では個別最適解しか得られない。(真野英明)

そして、その “戦略パートナー” を電通に担われたら、ほんとにもう入る隙がない。電通も対応は大変だろうが、間違いなく他社が入ってこれない状態を築くだろうな。

代理店と各企業のビッグデータ活用方法
この代理店の部分を担ったもん勝ちだ。それが出来ない組織は、”運送屋に馬車を営業する” 状態だ。

69:いまコンペをしても、結局どの広告代理店に頼んでも同じテクノロジー会社が請け負う、といったことが起きてる。そらなら、最初からその会社とつながれたらいいですよね。また、中立な立場でテクノロジーの評価をしてくれるパートナーが、いま求められているのです。(真野英明)

当たり前体操www

そして “中立な評価” において、トラディショナル代理店は信用がないのでw テクノロジー会社が営業している最中、行き場を失っているよな。

70:少し遠回りかもしれませんが、「広告主を育てる」 発想が大事ですね。他社の事例などを集めて傾向を伝えるなどして、広告主に勉強してもらいながら、自分たちも現状の環境に適応するように育っていくというやり方がいいのではないでしょうか。~中略~

世の中が変わっているのですから、自分たちも変わらなくてはいけないし、同時に広告主にも変わっていただくよう提案する。そうすると、おのずと戦略パートナーとしての考え方になっていきます。(真野英明)

そう思う。広告主はいまだにジャイアンである事が少なくない。ジャイアンの言いなりでは信頼されないし儲からないしジャイアンのファンは生まれない。
AZZLOのプレゼンは、”勉強会” という雰囲気がするようにしていて

「僕も気付いたんですけど、こぉいう事なんじゃなかって思うんですよね。故に御社では◯△□で・・・」

という感じが最近多かったな。

そして、コミュニケーションのプロなんだから、言いなりではなく “センス無い人に対するスタイリスト” 的であるべきだと思う。

71:広告主は組織体制に課題を抱えていることが多いので、その部分にまで働きかけて実際に組織が変わっていくと、その後の仕事がずっとしやすくなります。~中略~

もちろん簡単ではありませんが、長期的なパートナーになるとするなら、そこから育てる視点が重要だと思います。

他社の体制・人事に口を出すという事でもあるので、非常に難しいけども、誰も言わないから、誰かが言うと 「そう!その通りなんで、もうやっちゃおうか?」 ってなったりもするんだよな。

多くの代理店営業は、この企業の体制を理由に、儲ける事を諦めて、疲弊収集をしているだけのケースが少なくないw

しかし、得意先の成功を求めるならば、言わなきゃいけない事もあると思う。

72:日本の代理店がもっと努力すべきなのは、広告主の事業や顧客についてよく知るという点です。米国では、マーケティングの企画を頼まれたら広告代理店はクライアントの工場から販売現場からすべて歩き、開発者の話を聞き、顧客の声もよく調べる。そういうことに時間を費やします。

成功案件 の営業は、”中の人より中の人” と言われる程で、広告主の施設内では鍵を預かって、倉庫まで案内・説明できる程だったしなw

73:個人情報が今後のマーケティングの通貨になっていくなと感じています。広告主が持つ場合もメディアが持つ場合も、いずれにしても個人が自分の情報をどこかに預けて、メリットを享受する、いわば銀行に預金をしているような感覚ですね。そうすると、我々が読者からお預かりした個人の資産を運用し、利子をお戻しするという考え方をしないと資産は目減りします。そのときの利子とは何かと言うと、サービスやコンテンツです。

AZZLOはよく

「個人情報なんて全部ダダ漏れ (正確にはどこかに預ける) になる。その上でのメリットの方がデメリットを上回るから」

と言っているが、貨幣経済ではなく評価経済とはこぉいう事かもしれないな。

ワトソンが最適解を出してくれる材料 (ログ) を多く持っている方が裕福なのだ。


ほんっとAZZLOが普段言ってる事と近いw

広告代理店内の人だけでなく、まつわるプロダクションさんも読んで踏まえておくべき内容だと思う。

某パートナー営業さんが

「もう御社には営業かけませんw」

と言っていたが、まぁ当然だよな。

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