-読書感想- 心を動かす音の心理学 / 齋藤寛

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心を動かす音の心理学 / 齋藤寛

2011/5/24発売。2011年11月頃の読書。

“聴覚で新しい体験ができる事がきっかけ(コンテンツ)のコミュニケーションスペースが必要”

等と、自分のやりたい事を考えていたが、何故聴覚なのか?の必然性を整理したいし、風営法がなんだって賑やかになっているが・・・。 に書いたように、”音があるコミュニケーションスペース” の意味を論理的に説明出来るように、この本を手に取った。


1:音楽が嫌いという方はほとんどいないでしょう。野菜は嫌いでも食事そのものが嫌いという人がいないように、ジャンルやアーティストによって好き嫌いはあっても、音楽そのものを嫌いという方の話を聞かないのは、よく考えてみると不思議なことです。

⇒これは某神を信じる宗教の信者の方とも議論した事だ。”何故神は聴覚での感動を作ったのか?” である。まぁ考えてもキリがないし無くす必要もないから、特にオチは無かったのだが・・・w

2:音楽家の社会的な位置づけは国や文化によっても異なりますが、医者や弁護士などよりも上に据えていることもあるほどです。

⇒自分の祖父である水谷暢宏は、戦時中に “音楽で傷ついた日本兵・韓国兵を癒す音楽演奏家” として戦争を過ごした。この事実からも、スペック化出来ない音楽の意味は間違いなくあるだろう。

現在は既にマーケティングビジネスに組み込まれた文脈の音楽が大半だが、それでも “作られた曲を歌っているだけのアイドルが神扱い” されるぐらい、音楽というのは物凄い威力を持っていると思う。

3:ダーウィンの「性沙汰」という考えがあります。生物が遺伝子を後世に残すためには子孫を残さなくてはいけません。そのためには「配偶者を惹きつける」という能力が必要になってくるのです。~中略~狩猟時代のリズム中心の音楽は、体を動かすこと、すなわち「踊り」と結びついていました。~中略~これらのことからも、求愛の表現として音楽や踊りは、自らの体力や経済力を示す恰好のパフォーマンスだったと考えられるのです。

⇒まぁ現代で言う “本能” は途中から植え付けられた要素もあると思っているので、疑いを持って考えたい事ではあるが、まぁなんとなく辻褄が合っている感じはするな。実際現代でも、エグザイルやらAKBやら、踊る人達が多い訳だし。フィギアスケートへの興味も似たようなものを感じるな。

しかしこの文脈だと、バロック音楽とかは、小難しく視聴するのみで、ダンシングするものではない事になっている。バロックの起源は何なんだろう?という興味が沸くな。

4:登場する男性は二種類。片方は、音楽性溢れる芸術家で創造的知性に満ちています。しかしお金はありません。もう一方は、お金は持っていますが、これといった創造的知性を持ちあわせているわけではありません。この二人の男性を月経周期的に妊娠する可能性の高い女性に選んでもらったところ、創造的知性がないお金持ちよりも、お金のない芸術家を好んだのです。貧しいバンドマンが勝った瞬間です。

⇒Nいくつなのかにもよるし、何を目的とした選択なのかによもるな。”結婚相手” だったらいわゆる公務員がモテたりする訳で・・・。

5:チームが一丸となるために声を出して歌う。応援する側も応援歌を通して連帯感が生まれる。オリンピックで日本選手の活躍を見れば、日本人として国家を歌って応援したい気持ちを高めてくれます。音楽は、社会的な集団を統合したり維持したりすることに多大な影響があるのです。

⇒これは超同意だな。音楽ではないが、「日本チャチャチャ!」的な “お決まり連帯感” というのは何においても必要だと思う。

6:感情が動くスピードが速いのは、視覚からの情報よりも聴覚からの情報によります。気を失った人間が意識を取り戻すのも目よりも耳が先です。

⇒実際、テレビを付けっぱなしにして寝ていると、音で起きたりする。ある日このCMでハっと起きた。

その中でもレイハラカミっぽいハットの音が一番意識と紐付いたと思うな。

7:好きな音楽を聴いたときの気持ちよさは食事や性行動、睡眠や薬物依存と同じです。音楽を聴いて気持ちよくなるのは、側坐核と言われる場所の活動が高まり、ドーパミンの分泌量が増えるからです。

⇒生活者としての実感だけでなく、科学的にも立証されているという事だ。プレゼンの仕方とか声質とかで反応が違うというのも近い話だろう。

8:言語に関することは言語野という場所で処理されますが、こと音楽に関しては「音楽野」というような場所はなく、脳のあらゆる場所が使われているのです。脳全体を刺激するということは、私たちの行為の中でも極めてレベルの高いもので、ほかの芸術表現にはあまり見られません。

⇒これは面白い事実だと思う。故に音と筋肉を連鎖させるダンスというのは、非常に濃い体験になると言えそうだ。そして規制もされるし利用もされるハズだ。

9:一九九四年~一九九七年にかけてモントリールでは興味深い研究が行われています。九歳の子どもたちに三年間ピアノのレッスンを受けさせて、そのあとの言語能力、空間能力等の発達についてレッスンを受けていない子どもたちと比較しました。結果は、言語、空間、数学能力のすべてにおいて、レッスンを受けた子どもが優位に向上したのです。(~中略~)

また、音楽家や、音楽を多く聴いている人は、普段音楽を聴いていない人よりも他人の感情を読み取る能力が高かったり、人が話す言葉から感情を判断するスピードも速かったりする、という結果が出ました。

⇒ピアノ等の演奏は “二次元化された譜面を視覚で受け取り、筋肉を使って演奏し、聴覚で繰り返し確認をする作業” と、小難しく言える訳なのでw 立体的な思考発想になりやすいという雰囲気はするな。

特に幼少期に楽器をやっていた人とは、Z軸を含めた会話になりやすい気がする。

作曲家の祖父に育てられ、学校に行かずDJ WADAを学んだ自分としては、最低限 “聞き上手” というのは、よく言われるな。

10:本来人間は、「フィードバック機構」という機能を持っています。フィードバック機構とは、ある刺激から分泌される化学物質が多すぎる場合に、別の化学物質を分泌させてちょうど良いバランスを保つという機能のことです。

しかし、A10神経ではこのフィードバック機構が働きません。つまり、音楽を聴いて「気持ち良い」を思った快感は誰にも止められないということです。

⇒A10神経が何であれ、音への欲求は限りがないという事だ。ヴァイナルジャンキーの思考はごくごく普通であるという事だな。

最近では初音ミクムーブメントが特徴的だが、やはり音が紐付いている点が重要だろう。そして、”音×コミュニケーション” という普遍的な要素を、ニコ動の弾幕によって時間軸を超越した体験に昇華していると言えるんだろう。

11:「さっき聴いたからもう感動はない」ということにはなりません。何度聴いても、脳はしっかりと喜んでくれます。(~中略~)聴き手の期待から少しだけ外すのが感動を生むとされています。(~中略~)「意外性」が音楽の感動を作り出すという考え方は、多くの研究者にも支持されており、感動を生むプロセスのひとつとしては間違いない要素と言えそうです。

ハウルが不規則でリーゼントのお兄ちゃんが立ってたり、ガールズバーになってたりしたら、通い難いったらありゃしないのだw そして “星子の聖地” というコアも薄れるだろう。それと同じだと思う。

と以前に書いた。

ハウルのメインは音楽ではないが、毎日デニーさんが居て、その年の星子を飲んで、時間の経過による味の変化を楽しみ、デニーさんとのコミュニケーションの更新や、意外なお客さんとの出会いが、自分がハウルに通う理由だ。(数年振りにヴィヴィアン佐藤さんと久々に会ったり)

音の面では、HOWLのBGMを手がけさせて頂いた。 際にデニーさんは「色々な人がしょっちゅう音を更新するのが良い」と言っていた。「毎日違う人のipodを付け替えたい」ではない所が、”意外性の感動” に繋がる感じがするな。

行動の軸としては同じ事の繰り返しだが、その中で意外性があるから面白い。仏教の修行に似てるし、ミニマルテクノにおける、”『ぼよ~~ん』って1音鳴るだけで盛り上がる” のにも近いなw

12:あなたも恋人の車に乗ったときに、自分のお気に入りの音楽が流れていたらうれしくなりませんか?音楽は集団社会の結束力を高める力があります。男女二人の関係はその最小単位であるだけで、その力は集団のときと変わりません。お気に入りの相手が見つかったら、まずは音楽の趣味を聞くのが良いかもしれないですね。

⇒音楽の趣味が違う人と付き合うというのは、周りを見てもなかなか起きない事のように思う。とりあえず自分において3回以上SEXした相手は、必ず音の会話が出来る人だったw
ある人が言った事だが、「AZZLOさんのDJが好き。だからエッチしてもきっと気持ち良いと思う」 という誘いがあった。非常に理にかなっていると思ったので、この誘いには乗った。

そして、「AZZLOさんとヤリたい」という会社の女子 も、”元カレのVJと会う音をAZZLOが出していたから” という点で紐付きを感じたんだろう。

7年付き合った人とも完全に音楽繋がりだし、今仲良くしている女子もクラブやパーティーに通ってた人だ。ある時はピアニストと付き合って咬み合わない趣味の中の共通点を探すのが面白かった。”譜面 vs MIDI” 議論は熱かったなぁw

男性である自分も受け入れやすくなる訳だが、聴覚と異性の紐付きは女性の方がリンクしやすいという感じはするな。

13:物事をうまくまとめたり、分散している思考を集約したりして考えたりするのは、論理的な思考力を持っているかに関わっています。現れては消え、消えては現れるアイデアをなかなかまとめられないのは、クラシックで言えば、それが提示部にくるモチーフになるのか、はたまた展開部なのか、それとも終結部に持ってくるほどインパクトのあるアイデアなのかが曖昧だから。クラシックを聴いていると自然に論理的な思考力が身につくため、溢れるアイデアをまとめるのもうまくなるのです。

AZZLOの企画書は “紙芝居” になるように意識して作っているのだが、そんな日常を過ごしていると、曲作りや (もうすぐなんかしら公開する予定) ココの文章も上手くなってきている気がするな。

14:「なぜここは右手で弾かなければいけないのか」 といったことを考える習慣が、日々の生活のなかでも 「これは何でこうなっているのだろう」 という 「気づき」 につながっていくのではないでしょうか。日々の生活で接するあらゆることに自分なりに疑問を持ち、自ら考えるようになると思うのです。

 

そぉいやピアノとか 「コレ中指の方が楽じゃん!!!」 ってのあるよなw ハープも指の移動になんかルールあった気がするな。

コレに繋がる感じだな。

15:わずかな装飾音の入れ方とか、音の長さの違いを感じることがその人の繊細さや、気づき、思考能力を活性化してくれるのです。

エンベロープの変化だけで曲になるしな。無意識だが喋り方の魅力って声質よりもエンベロープだと思う。

16:一部の学者の中には 「生物学的に劣化し始めている」 という人もいるくらいです。情報が多いだけに、インプットの作業だけになっていて、それを自分というフィルターを通してアウトプットする習慣が失われているのだと思います。

⇒twitter、facebookといった、前後がないアウトプットを推奨されているしなぁ。まぁ話が早くなるから良いのかもしれないけども、点の共有だけでは誤解が生まれてしまうかもしれないな。

17:意識されにくいだけに難しいのですが、暗黙の了解で 「ここならこんな曲だよね」 というものが存在します。そこを外してBGMを選んでしまうと、 「なんか微妙な雰囲気だよね」 となってしまいます。その場にふさわしい曲を選ぶポイントはまずターゲット設定すること。ここがぶれてしまうとイメージが満載になり、結局大多数から共感を得られないということになってしまいます。よく言われることですが、ターゲットは絞れば絞るほど効果が出ることを覚えていてください。

⇒そんな “微妙な空間” って面白いかも。動画であれば



こんなのがあって、何とも表現出来ない気持ち良さ?悪さ?があるw

オフィシャルのCMでこぉいう事出来るよなぁ。車のCMなんかでまんまパクれそう♪ 確実にテレビに釘付けになるだろうw

18:音楽は無意識の領域に働きかける力が強いため、「よくわからないけど行動してしまった」 ということだってあるのです。良くも悪くも音楽は、無意識のうちに人の感情や行動を変えてしまうパワーを持っているのです。それは、たとえ意識して聴いていなくても。

⇒麻原彰晃の “オリジナルトラックを密室で爆音でかける” というまるでDJの様な行為が、明確に実証しているよなぁw

19:最近行った飲食店のBGMを思い出してみてください。たいていは思い出すことはできないのではないでしょうか。聴覚からの刺激は通常あまり意識されないのに、その場の雰囲気を支配してしまうのですから、音楽というのは怖いですね。そもそも音というのは空気の振動です。振動によってその場の空気に変化を与えれば、雰囲気さえも変わってくるのは、よく考えれば当然のことなのです。

⇒故にキータイプの音、更に振動が激しすぎるデスク環境では、作業は出来たとしても企画はやり難いよなぁ。

オープンオフィスで3時間雑音にさらされた事務職員は、いわゆる「闘争か逃走か反応」に関連するアドレナリンレベルの上昇が確認できました。つまり、オフィスでの騒音によって恐怖心にも似たストレスを感じることが明らかになったということです。
AZZLOの最近の “ほぼ批判の批評”w は、デスク環境が明確に影響してる って事だなぁ。

20:音楽の趣味趣向は、アイデンティティの主張とも言えます。

たとえばクラシックを聴いている人は、「クラシック音楽を愛する自分」 という像を意識します。また周りから 「クラシック音楽を聴く自分」 と認識されていることを知っています。ですから、身なりや言動なども自然と 「クラシック音楽を聴く自分」 に合うように作り上げていくわけです。

⇒聴覚だけでなく、CDジャケットとかヘアスタイルとか、”視覚含めた世界観” に帰属意識を感じるってのはあるよな。故にどんなコレクション(ファッションショー) でも、音の選曲はえらい気にかけるしな。

21:ターゲットを明確にしていれば、その層のお客さんのほかに、「そこを目指している人」 「そこに憧れている人」 にも響いていくのです。これはとても大切なことで、ターゲットを絞ることによって、じつは 「未来のターゲット」 も集めていることになるのです。

⇒ “目の前の収穫量に盲目にならずに種蒔きも行おう♪” って事だな。

22:「嫌なお客さんしか来ない」 と嘆いているお店は、お客さんに問題があるのではなく、お店自体に問題があることのほうが多いのです。

⇒”ウチは当てに行く (なんでもない普通の企画) から、大規模のチャレンジしたい案件は電通に指名で相談が行く。ウチはなんでもない普通の企画すらお買い上げ頂けない” って、あちこちで聞くなぁ・・・。

昔から聞いてた気ぃするけど、最近如実に嘆きを聞く機会が増えてる。

AZZLO自信は “300万~500万でキャンペーンサイト作って、マージン10%で30万~50万の利益の為に徹夜する” 案件がホントに嫌だった。そして成功案件によって、一切そういう相談は無くなったw “社内外で評判の良い営業” が見付けてくれて新たな取り組みをしているが、年初の今、ほぼ案件が無くなったw

きっと社会は健全だから、ちゃんと未来のヒントを感じさせることが出来たら、きっと仕事は来るはず。なぜなら社会は未来に行きたいから。

AZZLOもこんなスタンスでやってるのだが、そもそも未来とか面倒臭くて停滞したいのだったら、そらAZZLOは要らないわなぁw やっぱ偉いおっさんのアドバイス通り、営業とか無しで1人でやった方がいいんかなぁ。AZZLOは Team (Together Everyone Achieves More) を物理的な距離の近い人とも達成したいとは思っているのだが・・・。

23:「批評家としてではなく、受け手として聞きたいという欲求を持つこと。また相手の同意を得たり、相手を変えたりするのではなく、その人を理解したいという欲求を持つこと」

⇒AZZLOは、”今となっては嫌いな偉いおっさん” に対して最初から嫌いではなかったw

リーダーとしての意向を汲み取り共に達成したいという、ある種 “最高の軍師” になれればベストだと思ってた。この言葉は組織の面談でも明確に発した言葉だ。「分かるけどお前に軍師はまだ無理だよw」 なんて言葉を貰ったなw イメージからして “らしくない” だろうがw 何度も書くがヒエラルキーは尊重しているのだ。

しかし、

1:“まだ何もやってないのにdisる”
2:“偉いおっさんの戦略にミスがある雰囲気がしてきたらdisる”
3:“偉いおっさん抜きに良い結果出たらdisる”

とか連発されたら、こちらから理解したいという気持ちは枯れるんである。特に3番は 「1人で結果出せ!」 的に言うてた偉いおっさんなだけに致命的だ。

昔は 時給換算500円でも奮闘!してた が・・・、そもそも、この時点からdisられてるからな。

最近でも対AZZLOではないが、「あいつはやる気がないからダメだ」 と対話せずに決め付ける偉いおっさんが居るしな・・・。

“何故やる気が無さそうに少なくても自分には見えるのか?”

を問いただす必要が偉いおっさんにはあるんだよな。

「・・・ったく!赤子はギャーギャー泣いた上に、トイレも自分で行けねぇしよぉ。マジでキツいわ~・・・」

と親が言ってるのと同じ。

幼児虐待した親が老後の面倒を見てもらう事はそら無理だろう。


「この読書感想は組織批評 (ほぼ批判) にならなくて良くなりそう!?」 と期待していたのだが、イイ感じの流れだったのにオチが落ちた・・・(涙)

ま、ポジな部分で言うと端的に “聴覚の影響でかい!” だな。

成功案件においてもテーマ曲が出来る前は 「プレで勝っちゃったけど、実際どうなんのかね?www」 っていう少し他人事だったが、テーマ曲が出来た時点で、数十人の関係者が同じ三次元の座標を明確に視認した感じがする。全く迷いが無かった。

ボーカロイド施策!!!・・・を断念。 してるだけに、”聴覚サブリミナル施策” な事やってみたい!!!(少しポジティブになったw)

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